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【H.C.R.2015取材速報】 本田技研工業株式会社・マツダ株式会社[PR]

本田技研工業株式会社
~人気のステップワゴンに車いす仕様車が登場~

30年以上前から運転補助装置がついた自操車両を手掛け、現在(2015年)も多くの福祉車両を新たに開発しているホンダ。今回は要望の多かった人気車種を、ついに福祉車両として投入したということで、ホンダ販売部福祉事業室の野瀬薫さんにお話をうかがいました。

新技術採用で人気を獲得する福祉車両

―H.C.R.では何台の車両を展示しているのでしょうか。

野瀬 11台です。車いす仕様車では「N-BOX+」「フリード」「ステップワゴン」、助手席リフトアップシート車は「フリード」、2列目の座席が回転・昇降するサイドリフトアップシート車は「ステップワゴン」、助手席回転シート車は「フィット」「グレイス」「シャトル」をご用意しています。

―いつから介護車両を造り始めたのでしょうか。

野瀬 1995年から介護車両に参入いたしましたが、転機となったのは「N-BOX+」車いす仕様車です。「センタータンクレイアウト」といって、燃料タンクを薄型樹脂にして車両中央に配置する技術の特許を取得した結果、広い室内空間が実現した福祉車両を造ることができました。またそれまで車いす移動車は、開口部を大きくするため、後部のバンパーに切れ目を入れざるを得なかったのですが、この「N-BOX+」は車体を低くすることで、切れ目を入れずにスロープを出し入れできるようになりました。

―最も人気を集めた車種はどちらになりますか。

野瀬 「N-BOX+」車いす仕様車です。発売された2012年から販売台数も伸び、多くのお客様からご支持をいただいています。

―具体的に「N-BOX+車いす仕様車」での乗車は、どのようにするのでしょうか。

野瀬 車いすで乗車の場合はリヤシートをフロア面に格納(ダイブダウン)し、その上に乗り込みます。車いすがない場合は、大人4名がゆったりご乗車になれます。普段使いもできて福祉車両としても使えるという点で、現在、最も人気のある車種です。また、狭い路地も自由に移動できることから、福祉施設でも多くご利用いただいています。

要望に応え福祉車両の世界を広げていく

―今回、おすすめの車はどちらになりますか。

野瀬 「ステップワゴン車いす仕様車」です。今まで車いす仕様車がなく、H.C.R.でも毎年のようにお客様から、車いす用の「ステップワゴン」が欲しい、というお声を多くいただいていました。今年(2015年)の7月に発売し、ようやく、ご要望にお応えすることができました。

連載
常に車いすでの乗車を試す人が絶えなかった注目のステップワゴン

―ステップワゴンの車いす仕様車には、どのような特徴がありますか。

野瀬 3つのタイプに分けられます。まずは2列目に車いすを1台乗せるタイプ、次は3列目に1台乗せるタイプ、さらに2列目と3列目に車いすを合計2台乗せられるタイプです。2台乗せるタイプはホンダにとって初めての車種となります。

―車いすの隣には、介護する方のシートがあるのですか。

野瀬 そうです。右側の列にあるシートをそのまま残し、左側に2台乗せることができます。また、リクライニング用の大きな車いすも乗り入れることが可能です。介護をする方が横に乗車できることで何かあってもすぐに対応できますし、会話を交わしながらドライブを楽しめます。しかもマジックシートといってシートを壁際にはね上げずに床下収納できますので、3列目の車いすの方でも窓の外を眺めることができ、とても開放的だというお声をいただいています。

―福祉車両の今後の展望についてお聞かせください。

野瀬 福祉車両の認知度は少しずつですが以前よりも上がっていると思います。お客様には、ご自分に合う1台を選んでいただきたいですね。ご高齢の方々がお出かけになることを諦めたり、外出の機会が少なくなったり、という話もお聞きします。超高齢社会が進展する中、福祉車両を選択肢の中に入れていただけることが増えればと願っています。

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家族連れなど来場者でにぎわうブース内にて笑顔で解説してくれた野瀬薫さん

小回りのきく「ステップワゴン」に、2台も車いすが入るのは画期的です。それだけではなく、1つ1つの技術が確実に福祉車両の世界を広げているのを見せていただけました。

マツダ株式会社
~「Be a Driver」で福祉車両のイメージを変える~

H.C.R.の福祉車両展示で、ひときわ異彩を放っていたマツダのブース。鮮やかな赤いボディの「ロードスター」の福祉車両に、常に注目が集まっていました。この大胆な試みについて、マツダブランド推進部の吉田繁樹さんにお話をうかがいました。

「垣根」を取り払う楽しさ、スタイリッシュさ

―今回のH.C.R.出展の目的を教えていただけますか。

吉田 障がいをお持ちの方にもマツダのコンセプトである「Be a Driver」、つまり走る楽しさを味わうことをお伝えしたい。それが最大の目的です。障がいの程度によっては自分で運転できない方もいらっしゃいます。ただドライブには行きたいというお気持ちが皆さんにある。この機会を通じて、いろんな選択肢があることを示せれば、と考えています。

―「ロードスター」をメインに置かれた理由をお聞かせください。

吉田 今はまだ参考出品車ですが、「健常者」「障がい者」という区別をせず、垣根を取り払ってご提案したいと考えています。スポーツカーだからといって、障がいをお持ちの方だから乗れない、ということはありません。そんなメッセージをお伝えするのに「ロードスター」が象徴的な車ではないかと思いメインで展示いたしました。また、福祉車両も大胆に表現したいとの考えから、マツダのメインカラーである赤(ソールレッド)を選びました。

連載
集まる人達の笑顔と「かっこいい」という声が印象的だった「ロードスター」

―この「ロードスター」には、どういう特徴がありますか。

吉田 これは手動運転装置付車というもので、とくに足がご不自由な方が手だけでブレーキとアクセルの操作ができるようになっています。ご不自由なところは技術で補っていますが、それ以外の性能はベース車と全く変わりません。

―これらの開発について難しい点、または大切な点とはどのようなことでしょうか。

吉田 技術的に難しい理由は、開発する私達の側にとって障がいのあるお客様がどのようなご不満を抱かれているのか、どう解決すればいいのか、なかなか分からないことです。先回りしてご提案することが非常に難しいですね。こうした点を克服するためにも、実際に障がいをお持ちの方のお話を直接、聞くことが大切だと考えています。

福祉車両だから「できない」、をなくす

―「ロードスター」以外の福祉車両について教えてください。

吉田 参考出品となりますが「デミオ」にも手動運転装置をつけて展示しています。また、この車に装備している手動の助手席回転シートは実際に販売していますが、足を上げにくい方や足腰の弱り始めたご高齢者の方の乗り降りをサポートできます。さらに車いすをウインチで持ち上げ、トランクに収納できる装置も現在は参考出品ですが取り付けることを検討しています。

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回転シートと車いすリフトを備えた「デミオ」も赤(ソールレッド)

―電動シートはどのような車種に取り付けられていますか。

吉田 電動リフトアップシートを装備して販売している車は「ビアンテ」「プレマシー」と「MPV」です。これらは屋根が高く、車内も広いため、車いすを利用されている方のご家族に人気があります。また「フレアワゴン」のスロープ式車いす移動車も販売しています。この車は介護施設やデイサービスで送迎される場合などに非常に便利です。

―こちらに展示されている大型車両はどのようなものでしょうか。

吉田 この車も参考出品車ですが「ボンゴ・トラック」をベースにした、キャンピングカーシェルを使用した多目的サポートカーになります。いろいろな場所で、スポーツやレジャーを楽しむことをサポートしたり、ご家族でレジャーを楽しんだりできるよう、2台の車いすを収納できる仕様としています。さらに上部にはベッドなどを備え付けており、多目的にご利用いただけます。

連載
「ボンゴ・トラック」ベースの多目的サポートカーには車いすを2台、乗せられる

―今後はどのような福祉車両を手がける予定がありますか。

吉田 やはり「ロードスター」などのスポーツカータイプでの商品化を目指したいですね。また、今人気のSUVなども福祉車両として開発したいと考えています。造る際も、福祉車両だから「できない」という部分を最大限、なくしていきたいです。

スポーツカーや多目的サポートカーまで揃ったマツダの福祉車両には驚きがありましたが、実は「走る楽しみを味わう」という点で、全てがつながっているとわかりました。障がいのある方、介護を受ける方、誰もが楽しめる福祉車両への思いを感じさせていただきました。

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