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【H.C.R.2015取材速報】 日産自動車株式会社・スズキ株式会社[PR]

2015年10月7日から9日まで開催された国際福祉機器展(H.C.R.2015)。
高齢者や障がい者の自立と家庭や福祉施設での介護の向上を目的に、食品や衣料など多様な生活用品が展示され、多くの来場者で賑わいました。
そんな中ひときわ注目を浴びていたのが、大きな進化を遂げた福祉車両。利用する方々のための創意工夫を、展示された車両に見ることができました。メーカーごとの特徴など、担当者の方へのインタビューとともにお伝えします。

日産自動車株式会社
~安全面の先進機器を搭載~

大型の「キャラバン」、「セレナ」や「ノート」など中小型車まで多くの福祉車両を展示し、来場者から熱い視線が注がれていた日産自動車。その特徴について日産グループの福祉車両を担う株式会社オーテックジャパンの島本圭子さんにお話をうかがいました。

施設向けから個人向けまで幅広く、安全に

―今回は、どのような福祉車両を展示されているのですか。

島本 介護施設で送迎車として使われる施設向けから、ご家庭で利用される個人向けの車まで取り揃えています。業務用では10人乗りの「キャラバン」からミニバンタイプまで、また、個人でお使いいただく車いす移動車や、回転シートスライドアップシートを搭載した車など、多くの種類をご用意しています。

―日産自動車の福祉車両、最大の特徴は何でしょうか。

島本 自動ブレーキやアラウンド・ビュー・モニターなど、安全面に関わる先進技術を福祉車両に搭載している点ですね。当社の「セレナ」には両方とも標準装備されており、これは初めての試みです。また「デイズ」や「ノート」などにも、自動ブレーキや車線逸脱警報が付いています。

―自動ブレーキやアラウンド・ビュー・モニターの機能について教えてください。

島本 自動ブレーキは前方の車両だけでなく歩行者も検知し、バックするときも障害物があると停車する仕組みになっています。またアラウンド・ビュー・モニターはバックミラーの半分に、周囲の状況が空から見ている視点で全て映し出されます。車いす移動車にも全方位対応の移動物検知装置がついており、介護をする方が安全に運転できるよう工夫されています。

先進性とやさしさの融合

―ほかにどのような福祉車両がありますか。

島本 「e-NV200」をベースにした福祉車両も展示しています。これは100V給電もできるビジネスカーの電気自動車で、経済的であると同時に、緊急時には車に接続するだけで非常用電源としても利用できる便利なものです。今回は広々とした車内空間という特性を生かし、手すりなどを取り付けた送迎用の福祉車両として展示しています。

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電気自動車「e-NV200」ベースの福祉車両

―最先端の技術を福祉車両に積極的に取り入れているのですね。

島本 福祉車両を特別なものではなく普通車のひとつと捉え、同じ装備を搭載するべき、という判断がありました。また障がいのある方やお体の弱い方をお乗せする福祉車両において、安全性を最も重視したいと考えています。

※実際に「デイズ・ルークス」をご覧になっている来場者の方にお聞きしました※

―福祉車両をお選びになる際、どのような点を重視されますか。

来場者 高齢者にとって車はシンプルで、しっかりブレーキが利くのがいいですね。自分で運転していると予想以上にスピードが出ている場合があります。ブレーキ制御装置は必要です。また回転シートの乗り心地も大切。展示車両を見て、実際に確認したいと思います。

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「デイズ・ルークス」搭載の昇降シートとオーテックジャパンの島本圭子さん

―日産自動車で先進技術とともに大切にしていることを教えてください。

島本 利用される方にとって、さりげない存在でありつつ、役立つ装備も重視しています。リウマチの方でも手を通すだけで体が支えられるつり革グリップや、白内障の方にも見えやすいオレンジ色の手すりなどです。さらに回転シートも、体をひねらずにお乗りいただける仕組みになっています。今後も使う人の身になった工夫をするよう常に心がけてまいります。

先進性と細かい心遣いを融合させた日産自動車の福祉車両。介護を受ける方、介護をする方にとって、より安全でやさしい車、といえるのではないでしょうか。

スズキ株式会社
~軽自動車初! 車いすを含めた4人乗り~

スズキは1996年から軽自動車中心に福祉車両を独自に開発してきました。
H.C.R.2015では3車種を展示。スズキの四輪商品企画部、新村康隆さんへのインタビューを通して、最新技術に迫りました。

軽自動車を福祉車両として最大限に生かす独自の技術

―どのような福祉車両を扱っているのでしょうか。

新村 スズキでは介護式の福祉車両を造っていまして、今回は車いす移動車昇降シート車の2種類をご用意しました。車いす移動車はさらに、大型の車いすが格納できる「エブリイ/エブリイワゴン」をベースにした車両と、乗り心地を重視した「スペーシア」をベースにした車両の2つに分けられます。

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一度の動作で出し入れできる角度のゆるやかなスロープを備えた「スペーシア」車いす移動車

―「エブリイ/エブリイワゴン」をベースにした車には、どのような特徴がありますか。

新村 主に施設向けの「新型エブリイ」と、個人向けの「新型エブリイワゴン」を展示しています。両方ともスロープ幅が70cmと広く、独自の構造です。従来は、倒してから引き出すという2段階式が多かったのですが、この車両では折りたたみ式の軽いスロープを1回の動作で接地できるようにしました。

―これは軽くて便利ですね。ほかにどのような機能がありますか。

新村 車いすで乗車するときは、介護する方を補助するためにウインチベルトで引っ張るのですが、フックを車いすに取り付ける際にフリーモードを選択するとベルトが自由に動き素早くフックをかけられます。あとはリモコンで簡単に車に乗せられます。これも新しい技術です。

―これまでとの最も大きな違いは何でしょうか。

新村 「『エブリイワゴン車いす移動車』に車いすで乗車した場合でも左側のリヤシートを残せた」ことです。これまでは後部座席全体を折りたたまなければ車いすは入りませんでした。しかし新型車は左側のリヤシートを残せますので、車いすで乗車した場合でも4人座れるようになりました。これは軽自動車で初めてのことです。実際に座ってみてください。

―確かに、とても座り心地がいいですね。

新村 また、このシートはリクライニングも可能ですので、介護をする方も隣で車いすの方とお話をしながら、居心地よく移動できます。症状が軽度の方なら車いすからこのシートに移り、窓の外を眺めながらドライブを楽しんでいただけます。

―「スペーシア」をベースにした車いす移動車にはどのような特徴がありますか。

新村 「スペーシア」は全体的に床が低くて屋根も高く居住空間が広いので、乗り心地のよさが特徴となっています。スロープも1回の動作で出し入れでき、角度もゆるやかです。ウインチを使わなくても比較的、車いすでの乗降がしやすくなっています。また昇降シート車の「ワゴンR」では回転しながら背もたれが同時に傾くなど、限られたサイズの中で、乗員のスムーズな乗降のためのきめ細かく制御された動きを実現しています。

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「新型ワゴンR」の回転シートを操作する新村康隆さん

温かい視線が生んだ「安全」「低価格」「燃費」「小回り」……

―安全面での工夫など教えてください。

新村 「スペーシア」や「新型エブリイワゴン」では追突の危険を回避する「レーダーブレーキサポート」や、ペダルの踏み間違いからの急発進を避ける「誤発進抑制機能」、急ブレーキの際に後続車にハザードランプで知らせる「エマージェンシーストップシグナル」なども標準装備しています。

―コスト面や、軽自動車ならではの利点とはどのようなものでしょうか。

新村 ベースが軽自動車ですから、福祉車両もお求めやすくなっています。エブリイ車いす移動車はR06A新型エンジンを搭載し、5速マニュアルをベースとした新型AT(オートマチック車)である5AGSを採用しているので、通常のATよりも燃費がいい。スペーシア車いす移動車にはS-エネチャージ搭載グレードの設定や、ワゴンRにはエネチャージを採用するなど軽自動車ならではの経済性にも配慮しています。また小回りがきくので、狭い路地などを移動する際にも、自宅の前まで乗り入れができるというメリットがあります。実際にご高齢の女性で運転が苦手な方にも、多くご利用いただいております。

スズキでは1974年からモーターチェアを、1985年から高齢者向けのセニアカー(電動車いす)を手がけています。お体の不自由な方への温かい視線が、福祉車両の技術に生かされている、と感じました。