ホリカフーズ株式会社 「おいしくミキサー」シリーズ 味に驚く「ペースト状」[PR]

ホリカフーズ株式会社 「おいしくミキサー」シリーズ 味に驚く「ペースト状」[PR]

「やわらか食」を開発・販売している企業のお話をご紹介している記事、今回うかがったのは、新潟県を拠点とし長年にわたり、加工食品を手掛けてきたホリカフーズ株式会社です。
ホリカフーズは、食肉缶詰や業務用・災害用食品に加え「FFKブランド」としてユニバーサルデザインフード(UDF)を作り続けてきました。UDFの「区分4(かまなくてもよい)」に該当する「おいしくミキサー」のシリーズについて、執行役員ライフケア部長の星 正弘さんと東京営業所一般市場担当の小菅 誠さんにインタビューしました。

 

介護の食品作りに長い歴史、「調理してミキサー」の手間を省く

―介護食品を作り始めたきっかけを教えてください。

 1972年に大学病院からご依頼を受け、食材を細かくすりつぶして流動状に加工した「天然濃厚流動食」の開発を手掛けました。これは口で食べられない方のため、鼻から通した管で直接胃に栄養を届けるものになります。
その後、嚥下困難者や食べるのが少し苦手な方に向けて、流動食をもう少し固めた、口から摂取できる食品を40年以上、作ってまいりました。

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星 正弘 ホリカフーズ株式会社 執行役員 ライフケア部長
丁寧な語り口に、困っている方の助けになりたいという想いが溢れる星さん

 

―「おいしくミキサー」のシリーズは、いつから販売しているのですか。

小菅 「おいしくミキサー」を含む「FFK 食事で元気シリーズ」のFFKブランドは、病院や施設関係における長年の経験を生かして、介護保険がスタートした2000年に、新しく立ち上げたブランドです。「おいしくミキサー」はUDFの「区分4(かまなくてよい)」にあたりますので、なめらかなペースト状です。
おかずを作りミキサーにかけるのは、ご家庭では手間が掛かりますが、レトルトパウチでご提供していますので、手軽にご利用いただけます。

 

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小菅 誠 ホリカフーズ株式会社 ライフケア部 東京営業所 一般市場担当
商品、そしてお客様について、細かいところまで解説してくれる小菅さん

 

見た目は均一でも口に入れた瞬間、料理や食材を実感

―メニューについて具体的に教えてください。

小菅 「メインのおかず(主菜)」「もう一品(副菜)」「箸休め」などのバリエーションをご用意しています。今回、ご紹介するのは、主菜の「豚肉のやわらか煮」と「いわし梅煮」、副菜の「だし巻卵」「きんぴらごぼう」、箸休めの「大学いも」「白花豆煮」です。この6品はシリーズの中で最初に発売した製品で、ご家庭でもなじみのある昔ながらの味付けになっております。

―どのような特徴があるのでしょうか。

小菅 通常、おかずをミキサーにかけた状態では肉や野菜などが混ざり、味が区別しにくく、何が含まれているのか分かりづらいんですね。そこで、メニューを単品ごとにミキサーにかけ、ペースト状にしたことで、口の中でそれぞれの味が広がり、食材を実感していただけます。どうぞ召し上がってください。

―(実際に「豚肉のやわらか煮」と「だし巻卵」を試食して)豚肉の細かい粒子も残り風味が豊かですね。だし巻卵もふわふわとして甘味もあり、食べた瞬間にイメージが広がります。

 ありがとうございます。食材を感じられる部分を残してペースト状にしているため、風味豊かに仕上げることができました。また大きなポイントは味がしっかり分かる、ということです。皆様においしく召し上がっていただくために、肉や野菜の存在感がはっきりと感じられる商品作りを心掛けています。

味・香りがしっかり、「組み合わせ」も楽しめ、非常時にも使える

―ほかの4品はどのような味付けですか。

小菅 「いわし梅煮」は新鮮な鰯を使い、コクの中にも梅のさっぱりとした味が楽しめます。「きんぴらごぼう」は、ごま油の風味に辛味をわずかにきかせ食欲をそそる味付けにしました。「大学いも」では、ごまの香ばしさがサツマイモの甘さを引き立たせます。「白花豆煮」では白花豆の豊かな香りを感じていただけるようになっています。

―「主菜」「副菜」「箸休め」などがあるというのは、利用される方にとってもうれしいことなのではないでしょうか。

 ペースト状の商品は他のメーカーにもありますが、主菜や副菜、箸休めなどに分ける発想は当社独自のものとなります。「食べる楽しさ」を感じていただくためです。メニューについては当社の研究開発部で試作をし、味がしっかり伝わるものを選んでいます。

―お勧めの使い方はありますか。

小菅 複数をいろいろと組み合わせていただくのがお勧めです。「選べる」ということが、お客様にご好評をいただいています。
お客様の中には、ご自宅で調理をしてミキサーにかけるのを基本とし、ミキサーにかけにくい「お肉」は当社の製品で、という使い分けをしてくださる方もいらっしゃいます。また、味がしっかりしていますので、クラッカーなどにつけていただくのも、ご家族の方にお勧めです。介護を受けている方とご家族が一緒に召し上がることができます。

―調理方法も簡単ですね。

小菅 あたたかくして召し上がる場合は、こちらの6品は湯せんで2分、電子レンジで30秒、あたためるだけです。もちろん、そのままでもおいしく召し上がれます。衛生面を考慮し旅行や外出先で使われる方もいらっしゃいますし、新潟での地震のときや、東日本大震災のときにはガスや電気が止まりましたので、病院や施設も含めて多くの方にご利用いただきました。

 

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取材時に試食させていただきました。
なめらかな中に豚肉やだし巻卵をはっきり感じて驚き!

 

開発に必要な微妙な「さじ加減」、原材料選びも最適を心掛ける

―開発はどのように進められるのですか。

まずは企画を立案し検討会議にかけ、開発担当が試作品に着手します。その中で良いものを上層部で確認し、改善すべき場合はもう一度やり直す、ということを繰り返しながら作り込んでいきます。
また加工処理とは別に、固さを測るなど物性の調整も行っています。飲み込む力が弱くなった方はむせる場合もありますので、嚥下がなめらかにいくよう、味とのバランスを考えながら一致点を見出しています。

―微妙なさじ加減が必要なんですね。栄養面や味の工夫についてはいかがですか。

 技術的にはビタミンやミネラルを添加して栄養を強化することができますが、この「おいしくミキサー」では、それをせず、食材そのものから栄養を摂取していただくようにしています。いろいろなメニューを提供することで、多様な食材からさまざまな栄養素をバランスよく摂れるようにしています。飲み込むのが困難な方の味覚にうったえる部分として、塩分、そして香辛料の辛味や刺激も食欲の大切な要素と位置付けています。

―開発でたいへんなのは、どのようなことですか。

 原材料選びが一番、難しいかもしれないですね。当社の購買部が常に食材事情を把握して最適なものを選んでいますが、メニューに取り入れる加工技術があっても安定的に供給できないものもあります。
また食材を加熱処理する際、常に均一に熱が通るとは限りませんので、調理する前の下処理も非常に重要です。

「口の役割」をお手伝いしたい! との想いを込めて

―下処理が重要、というお話がありましたが、確かに、このシリーズでは、皮をむいたり煮込んだり、下処理に手間の掛かるメニューが多いですね。

 これは「お客様が一番お困りの部分をお手伝いする」という考えにもとづいています。あえて準備に時間のかかるメニューを提供することで、加工食品メーカーとしての付加価値が生まれ、最も当社の特色を打ち出せる、と考えております。

―製品を作る「想い」をお聞かせください。

 私達は「食べることが困難な方の“口の役割”をお助けし、お手伝いしたい」という想いで作っております。食事が摂れず、お身体が弱っていく方々に、なんとか「栄養」と「食べる楽しみ」の両方をご提供したい。これらのメニューの「一口」を、皆様の活力にしていただければ、非常にありがたいですね。
将来的には、さらに種類を増やしたいという展望もあります。使命感を持って作っていますし、このような食品がある! と、もっと知っていただきたいと思っています。

かむ力、飲み込む力が弱くなり、身体が不自由になった、だからこそ食事を「何よりの楽しみ」としている方は、多くいらっしゃいます。食事は、栄養面だけでなく心の活力としても欠かせないものです。それを支える「やわらか食」開発企業の努力の成果は、メニューを通して知り、味わうことができます。
そんな「やわらか食」を選ぶときには、UDFの規格の「わかりやすさ」が大きく役立ちます。わかりやすく選びやすい、そして使いやすいUDFを、介護をしている多くの方々に、ぜひ、使ってみていただきたいと思います。