歯科検診とは
歯科検診とは、歯科クリニックなどで虫歯がないか、歯周病の恐れはないかといったチェックを定期的に行う健診です。
また、虫歯や歯周病などの歯科治療を終えた後、治療後の経過を診ることも目的とされています。
歯周病は糖尿病や腎臓病に関連しているとも考えられており、口の中だけではなく、身体全体の健康のためにも予防したいところです。
虫歯や歯周病にならないための生活習慣指導を行っているクリニックもあります。定期的に検診を受けるようにしましょう。
高齢者に歯科検診が重要な理由
歯科検診は、予防歯科の観点から大変重要な役割を担っています。
虫歯になってしまったり、歯周病になってしまったりしたら、二度と元通りには戻りません。
虫歯や歯周病を予防するために、定期的な歯科検診を受けることがとても重要です。
手が動きにくくなり、思うように歯磨きができなくなってしまった方は、マメに歯科検診を受けてプロの手で口の中のメンテナンスをしてもらいましょう。
口の中を清潔に保つことは、誤嚥性肺炎の予防にもつながります。
>>誤嚥性肺炎とは 原因・症状・対策
認知症と診断されたらまずは歯科検診を
認知症が進むと、じっと座って口の中の治療を受けることが難しくなるかもしれません。また、口の中に違和感や痛みがあってもうまく伝えられなくなったり、治療の重要性を理解できなくなって治療拒否を起こしてしまうこともあります。
認知症と診断されたらまず歯科検診を受け、口の中の再整備をしておくようにしましょう。
かかりつけの歯科医が認知症に気が付くことも
同じ場所に長く住んでいる方の場合、通っている歯科医がずっと一緒ということも多いでしょう。
長く付き合ってきた歯科医の方だからこそ、「予約の時間に遅れたりこなかったりする」「いつも磨けている歯が磨けていない」といった変化に気づき、認知症の早期発見につながることも少なくはないようです。
可能であればかかりつけ歯科医と家族が連携を取り、異常や変化がなかったかを確認するといいでしょう。
歯科検診のチェック内容
具体的に、歯科検診では次のようなチェックを行っています。
虫歯のチェック
虫歯は目に見える場所よりも、見えにくい奥の方や狭くて歯ブラシが届かないような場所によくできます。
また、虫歯を治療したすぐ近くなどでも、再発することがあるでしょう。
そのため、専門家の目でしっかりチェックしてもらうことが大切です。
歯茎のチェック
高齢になって歯を失う原因のトップが歯周病です。
歯茎をチェックして歯周病になる原因である歯周ポケットの深さを観察して適切な処置を行います。
正しい歯磨き方法の指導
知らず知らずに、我流の間違った歯磨きをしている場合や、歯磨きのクセによる磨き残しができてしまうことがあります。
歯ブラシやフロス、歯間ブラシなどの効果的な使用方法を知ることで、
正しい歯磨きができ、虫歯や歯周病の予防ができるようになるでしょう。
歯垢の染め出しチェック
歯垢に反応して赤く変色する試薬を使い、「どの部分に歯垢が付きやすいのか」をチェックします。
プラークコントロール
虫歯や歯周病の原因になる、歯垢や歯石をきれいに取り除きます。
歯科相談
虫歯や歯周病、噛み合わせ、口臭など、口腔ケアに関して歯医者や歯科衛生士が相談に乗ってくれます。
口内の粘膜をチェック
口の中で起きる病気は、虫歯や歯周病だけではありません。
定期的な歯科検診によって、口腔粘膜の異常や口腔がんなどの早期発見にもつながります。
歯科検診のメリット
そのうえで、歯科検診のメリットとして次のような点が挙げられます。
・虫歯や歯周病の予防ができます
・健診を兼ねて虫歯予防のためのフッ素塗布施術を行う場合や、歯科クリニックによっては、定期健診と併行して歯のプラークコントロールを行っているところもあります
・定期健診によって虫歯や歯周病を予防することは、体全体の健康にも役立つことになります
・健診によって、歯周病にならないためのブラッシング方法なども指導してくれます。健康な歯を維持することに繋がるでしょう。
歯科検診を受ける方法
歯科検診は歯科クリニックや各地方自治体が運営している保健医療センター、自治体が指定する歯科医療機関などで受けることができます。気軽にかかりつけの歯医者さんに、「歯科健診を受けたい」とに問い合わせをしてください。
地方自治体によっては、定期的に歯科検診専用車が巡回していることもあるでしょう。
自治体から健康保険だよりなどで告知されていることもあり、こまめにチェックすることをおすすめします。
歯科検診の価格
歯科検診は健康保険の3割負担の場合で、2,000〜3,000円程度で受けられます。
また、レントゲン写真を撮影したり、プラークコントロールの施術を受けたりした場合では、4,000〜6,000円程度の費用となるでしょう。
口の中が健康な方の場合は、3〜6ヵ月に1回のペースで構いませんので、定期健診の受診を習慣にしてください。
口の中の状態が悪い方、口腔ケアに自信がない方、認知症で歯磨きができなくなってしまった方などは、歯科医と相談の上、1ヵ月に1度などのペースで受けるようにするといいでしょう。ただし、3ヵ月に1度までは医療保険が適用されますが、それ以上は自費診療となります。必要なメンテナンスメニューとその価格を歯科医とよく打ち合わせておくことが大切です。
虫歯や歯周病になってから通院治療を受けると考えれば、はるかに安い費用で済むはずです。