森永乳業株式会社 「やわらか亭」シリーズ 介護を楽にする「ごはんとおかずソース」[PR]

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今回、やわらか食のお話をうかがった企業は「ビヒダスヨーグルト」や「クリープ」、アイスクリームの「ピノ」など数多くの身近な乳製品を手掛けてきた森永乳業です。グループ会社で長年、病院用流動食を開発・製造・販売してきた歴史があり、近年では在宅介護の高齢者向け食品も多く取り揃えています。 ユニバーサルデザインフード(UDF)としては「区分2」で、「歯ぐきでつぶせる」やわらかさの「やわらか亭」シリーズを中心に、その特徴、さらには開発経緯などについて、栄養食品事業部 マーケティンググループの小菱悟さんにお聞きしました。

普通の食事に近い感覚で食べられる「やわらかく炊いたごはん」

―「やわらか亭」開発のきっかけを教えてください。

小菱 グループ会社の株式会社クリニコで、病院用の流動食を30年以上前から手掛けておりまして、現在までトップシェアを頂戴してきました。高齢者の方が増え、病院での医療体制も飽和状態になっている社会背景から、今後、在宅で介護される方への受け皿が必要と考え「やわらか亭」開発を始めました。販売スタートとなったのは2012年です。

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小菱 悟
森永乳業株式会社 栄養食品事業部
マーケティンググループ
アシスタントマネージャー

―どのような商品なのでしょうか。

小菱 「ごはん」と「おかずソース」がセットになっています。「おかゆ」ではなく「やわらかく炊いたごはん」です。UDFの基準では「区分2」に該当し、歯でかめなくても、歯ぐきでつぶせるやわらかさに仕上げました。ごはんの上におかずソースを掛けて召し上がれますので「かたいものが苦手でも普通の食事に近い料理を食べたい」というご要望にも応えた商品となっています。味は「カレーごはん」「麻婆ごはん」「ハヤシライス」「そぼろごはん」「梅ごはん」「海苔ごはん」などをご用意しております。

おいしさを第一に「開けたらすぐ」食べられる便利さも

―お勧めできるポイントはどのようなところですか。

小菱 介護を受けている方は、食欲が落ちてしまいがちですから、まずは「おいしさ」がポイントです。ごはんは国産米を使い、お米の甘味、うま味を引き出しています。おかずソースは「ごはんに合う」「親しみやすい」味付けにしています。ごはんはふんわりと、おかずはじっくりと煮込んでいながら素材の食感を残した仕上がりにしました。2012年の当社の調べでは98%の方に「食べやすい」という評価をいただいています。

―使いやすさ、という面でも工夫をされていますね。

小菱 開けたらすぐに、常温でも食べられるようにしました。温める場合も、カップのふたを開けて、容器ごと電子レンジに入れてソースをかけるだけです。「そぼろごはん」、「梅ごはん」や「海苔ごはん」では、ごはんだけを約50秒温めてから、ソースをかけていただきます。それ以外はソースと一緒に約1分10秒、加熱するだけで、できあがります(注:レンジで温める時間は500wのめやすです)。

―なぜ、このような形にしたのでしょうか。

小菱 「火を使うのが心配」というご高齢の方の声がありましたので、どなたでも安心して召し上がれるようにしました。容器は白内障の方にも見やすいクリーム色にし、ソースの袋も周りの切り口部分に配慮し、指を切って怪我をしにくいよう工夫しています。

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すぐに食べられる! 実際に「やわらか亭」パッケージを開けて説明していただきました

あえて「ごはん」を開発、微妙なやわらかさで「粒が立つ

―他社ではおかず類を扱った製品が多く見られますが、あえて「ごはんもの」を手掛けた理由を教えてください。

小菱 開発前、クリニコを通してお医者さんや栄養士さん、看護師さんからご指導をいただく中で、お客様にどういうニーズがあるのかを調査しました。その結果、在宅で介護を受けている高齢者の方々には、ごはんを食べる機会が少なく、それを求めていらっしゃると分かりました。そこで、ごはんが中心となる「やわらか亭」の開発が決まりました。

―開発で苦労なさった点はありますか。

小菱 「お米の食べやすく、おいしい微妙なやわらかさ」を実現させるのが難しかった、ということがありました。「おかゆ」ではなく「やわらかいごはん」だということはすでに申し上げましたが、「やわらか亭」のごはんは、お米の1粒1粒が立つように炊き上げられています。

味と栄養のバランスに苦労、メニューごとに栄養分を変え解決

―ほかにもご苦労はありましたか。

小菱 味付けと栄養のバランスを考えたメニュー作りも大変でした。ご高齢の方は味覚が落ちてしまいがちですから、はっきりとした味付けが好まれます。ただし塩分は控えめにすることが必要でした。また、栄養面だけ考えれば、どのメニューでも栄養分を均一にしたほうがお客様にも分かりやすいのですが、そうすると味のバランスが損なわれます。食べていただくことが最優先と考えつつ、栄養面にも配慮しました。

―どんな栄養が含まれているのですか。

小菱 普段の食事で不足しがちな栄養素はカルシウムや、亜鉛です。カルシウムや亜鉛は「ハヤシライス」「麻婆ごはん」「梅ごはん」「海苔ごはん」で摂れるようになっています。また、やわらかい食事が中心になると、たんぱくが不足しがちになります。とくにカレーにはたんぱく質を1食8.8gと多く取り入れました。お客様には、いろいろな味を楽しみながら、バランスよく栄養を摂っていただけたらと考えております。

乳酸菌で免疫力アップ、手軽な栄養補給に最適の飲料

―ほかにも手軽に栄養補給ができる商品もあるのでしょうか。

小菱 「エンジョイ クリミール」という飲料をご用意しています。お食事で十分な栄養が摂れない方でも、必要なカロリーやたんぱく質、ビタミン、ミネラルなどを、飲むことで手軽に補給できますので、お食事にプラスしていただくと効果的です。「コーヒー味」「いちご味」「バナナ味」「ミルクティー味」などがあります。

―どのような特徴がありますか。

小菱 「モラック乳酸菌」が入っているのが大きな特徴です。これは当社の独自調査で、免疫細胞を活性化させる乳酸菌として数千株の中から選んだものです。「クリミール」は主要栄養成分を補給でき、さらに、乳酸菌で免疫力を高めるということで、ご高齢の方はもちろん40代~60代の方にも多くご利用いただいています。

困っている方に、必要なものを届けたい想い

―「やわらか食」をはじめとした、介護に役立つ食品を作る意義をお聞かせください。

小菱 「やわらか食」に限らず、当社の製品は全て、社会貢献できるもの、社会的責任を果たすもの、と考えておりますので「特別なこと」をしているという意識はありません。困っている方に、必要な商品をお届けすることが大切だと考えています。介護をされる方にとって便利な商品は、より「楽」な介護にしていただくためにお届けしたいと思っています。

―今後の課題としていることはありますか。

ごはんは「主食」であるため、お客様の中には非常に強い「こだわり」をお持ちの方もいらっしゃいます。多くの方に、ご満足の声をいただいていますが「もっとこうして」というご要望をいただくこともありますので、価格や味も、まだ改良の余地があると思っています。今後も、よりお客様の「必要」に応えられるよい商品を提供できるよう、努力を重ねていきたいと考えています。

たくさんの人の声や願いに応える形で、企業は、さまざまな調査や研究、開発を通し「やわらか食」を生み出してきました。より多くの人に、その利便性を実感してもらいたい、もっと知って、もっと活用してほしいという想いから、現在も努力が続けられ、進化は続きます。

「やわらか食」の中でもUDFには、見てすぐに「これが適している」とわかるメリットがあります。必要な人に、役立つものを届けたい想いが、UDFという形によって、よりわかりやすいものとなっています。UDFが、より広く知られ、使われるようになることに期待したいと思います。