介護の不安を解消できる「安心介護」
専門家に無料で相談

投稿から検索

サルコペニアとは 筋力や身体機能の低下の症候群

サルコペニアとは 筋力や身体機能の低下が起こる症候群

「今まで元気で病気ひとつしたこともなかったのに、年のせいか身体が弱まり、歩く力や飲みこむ力が失われてしまった」-もしかしたらそれは“サルコペニア”かもしれません。

サルコペニアとは?

サルコペニアとは、加齢と関連して筋肉量が低下し、筋力や身体機能の低下が起こる症候群です。

もともと筋肉量は、40歳ごろから徐々に低下していきます。

筋肉量が低下する年齢になったのにもかかわらず、適切な栄養摂取や運動をせずにいると、年齢を重ねるごとにその速度は加速していきます。

サルコペニアの症状

筋肉量が減少すると、こんな症状が出てきます。
・活動量の減少から肥満に(膝への負担増)
・転倒のリスク上昇
・舌や咀嚼嚥下に関する筋肉や呼吸に関する筋肉に影響が及ぶと嚥下障害に

また、入院中に起こすようになった食事中のむせ(咳込み)について、入院による活動量低下でサルコペニアが起こっているのではないかとする専門家の声もありました。

骨折手術による侵襲、入院による活動低下、加齢による筋肉量の低下および筋力の低下をきたしたサルコペニアという状態で、舌や咀嚼嚥下に関する筋肉また呼吸に関する筋肉にもサルコペニアが起こり、嚥下障害をもたらしていると考えられます。ですから、体力と噎せは大いに関係してます。
(専門家ぶっちさんの回答)
介護のQ&A「嚥下力の低下と、今後のこと

肥満で膝への負担が増えたり、転倒してケガをしたりすると、よけいに活動量が減り、筋肉量がさらに低下していきます。また、嚥下機能が低下して食欲がなくなると、筋肉を作るのに十分な栄養が取れなくなってしまいます。

つまり、一度サルコペニアになると筋肉量が低下する悪循環が生まれ、最後には寝たきりになってしまう恐れがあるのです。

そこで大切になってくるのは、身体機能低下の原因を見極め、進行の予防しながら治療を受けることです。

サルコペニアの診断方法

サルコペニアは高齢者によくみられる症候群でありながら、診断基準や治療のガイドラインは存在していませんでした。

そこで欧州老年医学会では、2009年にサルコペニア・ワーキンググループを結成しました。

そこでは、「筋肉量の低下と筋肉機能(筋力または身体能力)の低下の両方が起こっていることをサルコペニアの診断に用いることを推奨する」としています。

サルコペニアの診断基準

筋肉量の低下

筋力の低下

または、
身体能力の低下

具体的には「歩く速度」、「握力」、「筋肉量」などを測定して診断しているそうです。

日常生活の中では、「歩く速度」、「階段の手すりをつかまらないと上がれない」、「ペットボトルのキャップを開けにくい」、「重いものを持ち上げられない」などが判断の目安となります。

フレイルとの違い

サルコペニアと似たものに、高齢になって筋力、活動性、認知機能などが低下した状態を示す、「フレイル」といいう言葉があります。

介護予防、寝たきりの防止を考えたときにサルコペニアと併せて注意したいものです。

フレイルの診断基準は以下の通りです。

フレイルの診断基準

5つの項目のうち3つが当てはまった状態
・体重の減少(目安として1年間で2~3kg減少)
・身体活動量の低下(趣味の集まりなどに出かけなくなったなど)
・疲れやすくなった
・握力/筋力の低下
・歩く速度の低下

>>介護への黄色信号!要介護になる前に高齢者が気を付けたい「フレイル」ってどんな状態?
>>高齢者が陥りやすい「フレイル」介護費用の減少も期待できる6つの予防と対策とは?

サルコペニアの原因

サルコペニアの原因は、人それぞれです。

加齢以外に原因が特定できないものもあれば、認知症などと同じように若い人でもサルコペニアを発症する場合があります。

加齢以外の主な原因としては、

・幼少期における発育、発達の影響
・たんぱく質の摂取量不足など不適切な食習慣
・寝たきりや不活発な生活習慣、入院など
・重度な臓器障害や慢性疾患など
・特定の薬物の使用

などが挙げられます。

>>参考(外部サイト):サルコペニア:定義と診断に関する欧州関連学会のコンセンサスの監訳とQ&A

それではサルコペニアにならないためには、どうしたらいいのでしょうか?
また、治療方法にはどんなものがあるのでしょうか?

サルコペニアの予防方法3つ

サルコペニアにならないための予防方法は、主に3つです。

しっかりと栄養を摂取する

牛乳などの乳製品やお肉を食べて、筋肉を作る動物性タンパク質をしっかりと摂取しましょう。「まとめて夕食で食べる」というのではなく、朝食・昼食・夕食すべてでタンパク質を摂取しましょう。

ビタミンBやビタミンDをあわせて摂取するのも効果的だと言われています。また、栄養が十分に摂取されていないと、タンパク質が分解されてしまうことがあります。

タンパク質だけではなく栄養バランスも大切です。

体重を管理する

肥満が原因で膝関節に負担がかかり、活動量が低下してサルコペニアになってしまうため、体重の管理は欠かせません。

また、肥満だけではなく痩せすぎないように管理することも必要です。

運動をする

有酸素運動やスクワットなどの筋肉トレーニングをするといいでしょう。

ただし、無理のない範囲で長く続けていくことが大切です。

具体的な筋トレ方法は、日本整形外科学会公認のロコもチャレンジ!を参考にしてみてください。

基礎疾患がある方は、かかりつけ医などに相談をしたうえで行いましょう。

サルコペニアの治療方法

それではすでにサルコペニアだと診断されている場合、どのように治療したらいいのでしょうか。

治療方法はサルコペニアになってしまった原因によっても異なります。

原因が加齢の場合

栄養の補給に気を付けながら、上記の筋力トレーニングや必要なリハビリをするのが有効です。

原因が栄養不足の場合

まずは低栄養状態、たんぱく質不足状態を改善しましょう。

原因が寝たきりなどの活動量不足の場合

トイレに向かうなど、意識して活動量を増やしていくのが第一歩です。
不要な安静を無くし、1日3回の食事をとりましょう。

栄養をきちんと取りながら、活動量を増やすことを意識して生活をするのが大切です。

原因が疾患によるものまたは、4つ全ての場合

栄養に気を付けながら、原疾患や障害を治療するのが最優先です。
筋力トレーニングはあえて行わないこともあります。

>>参考(外部サイト):サルコペニアの予防・改善
>>参考(外部サイト):サルコペニアを知ろう

栄養状態の改善が重要

安心介護内の投稿を見てみると、栄養状態を改善しないままリハビリを行うと、「逆効果になる可能性がある」と指摘する専門家の声もあります。
>>介護のQ&A「誤嚥性肺炎で2ヶ月絶食で骨と皮の父」

栄養状態を改善させるために嚥下障害のリハビリが必要な場合もありますので、詳しくは主治医やケアマネに相談をしてみてください。
>>嚥下障害のリハビリ
>>自宅での嚥下のリハビリ(摂食訓練)の方法

サルコペニアの治療薬が開発中?

2014年5月にはウォール・ストリート・ジャーナルが、高齢者の筋肉増量を助ける、サルコペニアの治療薬が開発中だと報じました。

ただし、サルコペニアが病気と位置付けられていないことが治療薬承認の壁になっていたり、運動選手に誤用される危険性などのコンプライアンスの問題が残っているそうです。
>>参考(外部サイト):高齢者の筋肉増量を助ける薬の可能性