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誤嚥性肺炎とは 原因・症状・対策

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誤嚥性肺炎とは

通常、口から入った食べ物は、咽頭から食道を通って胃まで届きます。しかし、飲みこむ力が弱くなった高齢者では、食べ物が誤って気管に入ってしまう「誤嚥」が起こりやすくなります。本来は食道に送られるべき食べ物が気管に入り、その細菌が肺に入り込んで炎症を起こしてしまうのが誤嚥性肺炎です。

この誤嚥性肺炎は食べ物だけではなく、寝ている間に飲みこむ唾液によっても起こります。

▼肺炎は日本の死因第3位

2015年度の厚生労働省の人口動態統計によると、「肺炎」は日本人の死亡原因の第3位でした。また、肺炎で亡くなった方の96.9%が65歳以上でした。

さらに高齢者の肺炎の約70%は誤嚥が原因だと言われるほど、起こりやすい症状です。

誤嚥性肺炎の発生原因

誤嚥性肺炎の発生原因は、大きく2つに分けられます。これらの原因に免疫力の低下などが重なると、誤嚥性肺炎を発症するリスクが高まるので注意が必要です。

食べ物や細菌を含む唾液や分泌物の誤嚥

食事中や嘔吐時に誤嚥した食べ物や唾液などに含まれていた細菌が気管や気管支に入りこみ、肺が炎症を起こします。また、高齢者の場合は、口の中の残留物や唾液が少しずつ誤嚥されていることがあります。

胃の内容物の逆流

胃の内容物と一緒に胃液が食道を逆流することで発症します。胃の内容物に含まれている酸や消化液が気道の粘膜を損傷することが原因です。

胃に穴を開けて直接栄養を入れる胃ろうを増設している場合、胃に入れた栄養剤が逆流することで、誤嚥してしまうケースもあります。胃ろうよりも腸に直接栄養を入れる腸ろうの方が、誤嚥のリスクは低くなります。
>>胃ろう(PEG)とは メリットや介護方法
>>腸ろうとは メリットや介護方法

誤嚥性肺炎の症状

誤嚥性肺炎など、高齢者の肺炎の場合、37.5度以上の発熱や咳、痰、息苦しさなどの典型的な症状や自覚症状が出ないこともあります。そのため、発見が遅れるケースもあるので、周りの人がいち早く異常に気付いてあげることが大切です。

その代わりに出る症状が以下のようなものです。

・呼吸数の増加
・原因のはっきりしない、傾眠やせん妄などの精神症状
・倦怠感、だるさが続き活動性が低下する
・疲労感が消えずに食欲がわかない

高齢者は、外からわかる症状が軽くても、実は病気が進行していることもあります。そのため、いつもと違う「変化」には常に敏感に反応することが大切です。

知っておきたい誤嚥の症状

下記のような誤嚥の症状が出ていないかを確認しましょう。
>>誤嚥とは 原因・症状・対策

【食事中に気を付けたい症状】
・食事に時間がかかる
・食べる量が減った
・食べ物の好みが変わった
・水分を避ける

【食事中や食後に気を付けたい症状】
・ムセがある
・湿ったしわがれ声になる

【食後に気を付けたい症状】
・食後に痰が増える
・熱が出る
・痰に食べたものが混ざっている
・口の中に食べたものが残っている
・食後に疲れている

【そのほか】
・常に喉がゴロゴロと鳴っている
・濃い痰がよく出る
・体重が減った
・尿量が減った
・寝ているときに急に咳込む

症状が更にひどくなると重度の呼吸不全に陥ることもあるので、注意が必要です。

誤嚥性肺炎の診断方法

病院で誤嚥性肺炎を診断する際には、症状の聞き取りのほか、胸部X線または胸部CT、血液検査、動脈血酸素飽和度などを調べます。

また、治療のために喀痰培養検査で原因菌を絞り込みます。気管支鏡で気管支採痰できれば、より精度の高い検査が可能です。

誤嚥性肺炎の治療方法

誤嚥性肺炎の主な治療法は、酸素投与や呼吸管理をしながら、原因菌を抗菌剤で死滅させる薬物療法です。

胃液の逆流が原因の場合は、ステロイドが処方されます。薬物治療中も新たな誤嚥が発生しないように十分注意しなければ、発熱がいつまでも続き、抗菌剤を長く服用しなければならなくなります。

誤嚥性肺炎の予防方法

一度誤嚥性肺炎を治療しても、予防を怠ると再発の可能性が高くなるでしょう。誤嚥性肺炎は一度起こすと繰り返す傾向があり、発症の度に重症化したり、耐性菌が発生して治りにくくなるやっかいな病気なため、予防がとても大切です。

安心介護内にはたびたび誤嚥性肺炎を繰り返し、医師から胃ろうなどを勧められたという声が少なくありません。

誤嚥性肺炎を予防するにはどうしたらいいのでしょうか?

食事中や食後の姿勢に気を付ける

食事中に姿勢を気を付けることで、誤嚥を予防することができます。
>>誤嚥を起こしにくい食事の姿勢のとり方

また、食事の後にはすぐに横になるのを避け、少なくても2時間は座位を保つことで、胃の内容物の逆流を防ぐことができます。

口腔ケア

口の中の細菌を減らすことで発症リスクが減らせます。正しい歯磨きのほか、特に高齢者は嚥下反射をよくするために歯茎のマッサージを行うのも効果的です。
>>高齢者の口腔ケアの目的と方法

薬物による予防

咳や嚥下の反射をよくする予防薬「アマンタジン」や、咳反射亢進のための降圧剤「ACE阻害薬」によって嚥下障害を改善します。これらは、異物が気管に入った時に咳をして吐き出そうとする反射をしやすくしてくれます。

そのほかに稀なケースとして、胃ろうや腸ろうの増設や気管食道剥離術などがあります、しかし施術には、精密な検査とあらゆるリスクを検討しなければなりません。

嚥下訓練で飲みこむ力を鍛える

自宅で摂食訓練を続けながら、デイケアや訪問リハビリなどで専門家から嚥下訓練・嚥下トレーニングを受けるようにするといいでしょう。
>>自宅での嚥下のリハビリ(摂食訓練)の方法
>>嚥下障害のリハビリ

免疫力を高める

また、規則正しい生活や栄養バランスの良い食事、禁煙などの生活習慣を見直して、免疫力を高めておくことも大切です。
>>免疫力をつける食事とは