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嚥下力(えんげ力)のチェック方法

嚥下力(えんげ力)の評価方法

嚥下力をチェックする目的

嚥下障害が見られた場合、まずは実際にどれくらいの嚥下力や嚥下障害があるのかを、正しく評価することがとても重要です。評価することで、嚥下障害の原因や症状などを判断したり、どれくらい誤嚥性肺炎のリスクがあるのかを判定したりするのに役立ちます。
>>嚥下障害とは 原因と症状

また、嚥下力をチェックすることで、誤嚥や嚥下性肺炎のリスクを減らす食事形態の選択やリハビリの方法、あるいはその効果を判定することができます。

自宅でできる嚥下力のチェック方法

嚥下力の主なチェック方法は次の通りです。あくまでも簡易的なものですので、大体の嚥下力を図る目安となります。また、安全に十分注意して行いましょう。

食中・食後に咳や痰があるか

食事中に集中して咳が出る場合や、食事を開始した途端に咳・痰の量が増えたりした場合は誤嚥が疑われます。

水飲みテスト

30mlの水を通常通りに飲んでもらう方法です。重度の嚥下障害が疑われる方などには、行わないほうがいいでしょう。この際、水を飲み終わるまでの時間や状態を観察します。5秒以内に1度でむせることなく飲めると正常です。

《嚥下力低下のサイン》
・5秒以上かかる。または、2回に分けて飲む
・1回で飲めるがむせることがある
・2回以上に分けて飲み、さらにむせる
・むせがちで、全量飲めない

また、すするように飲む、含むように飲む、口唇から水があふれる、むせながら無理に動作を続けようとする、注意深く飲むなど、飲み方を注意してみておきましょう。

フードテスト

プリンやお粥などの飲みこみやすい食材を使って、嚥下の状態を確認する方法です。数回繰り返します。次の反復唾液嚥下テストと合わせて評価するといいでしょう。2回繰り返して、悪い状態のほうを評価します。

《嚥下力低下のサイン》
・飲み込めない、むせまたは呼吸変化がある
・飲み込めても呼吸変化がある
・飲み込めて呼吸が良好でも、むせたり、声が湿った感じのかすれ声になったり、口の中に食べ物が残ったりする

反復唾液嚥下テスト

唾液の嚥下を、できる限り多く30秒間続けます。

《嚥下力低下のサイン》
・30秒間に2回以下の場合

病院で行う嚥下力のチェック方法

嚥下障害の疑いがあって病院を受診した場合、まずは精神・身体機能を含めた全身機能をチェックすることになります。続いて口腔や咽頭、喉頭の外的所見によって、だいたいの判断を行うのが診断の流れです。より摂食場面に沿った詳しい検査ができます。

聴診所見

飲んだり食べたりする前の状態で、肺や頸部の呼吸音を聴診器によって聴きます。その後、食事をしてから再び音を聴き、その変化を調べます。

《嚥下力低下のサイン》
・食後に喉や肺がゴロゴロしている場合

血中酸素飽和度モニター

食事中、指にバルスオキシメーターを取り付けて酸素飽和度を調べます。

《嚥下力低下のサイン》
3%以上の低下、または90%以下になった場合

嚥下造影検査

造影剤入りの検査食を使って、X線の透視画像によって状態をチェックします。嚥下障害の程度を確認したり、食事の形態を決めたりする際に役立ちます。

嚥下内視鏡検査

経鼻に鼻咽腔喉頭ファイバーという内視鏡を挿入して、嚥下の状態を器質的、また機能的に状態をチェックします。検査室に行く必要がないため、実際の摂食場面での正しい嚥下評価が可能です。

嚥下力が弱い場合の対応方法

嚥下力が弱いことがわかったら、次のような対応をとるといいでしょう。

本人の状況に合わせて調理方法を工夫する

嚥下力が弱い人への調理法といえば、細かく刻んだり、とろみをつけたりすればよいと思う人が多いかもしれません。しかし実際には、本人の嚥下の状態や口腔内の環境に合わせて、調理を工夫することが大切です。

例えば芋やかぼちゃなどは、柔らかく煮ることで上あごと下で潰せるようになります。これをすりつぶしてしまっては、食材の味や美味しそうな見た目が損なわれます。

反対に、肉や魚などのたんぱく質は、加熱しすぎると固くなったりぱさついたりするため、飲みこみづらくなるでしょう。また、普通食を刻んでとろみをつけるだけでは、口の中でバラけてしまい、かえって飲みこみにくいこともあるのです。

とろみのある飲料や食事で水分を補給する

嚥下力が弱い人は水分補給が重要ですが、水でもむせてしまう場合は、ゼラチンや寒天でゆるめに固めると飲みこみやすくなります。また、油や生クリームで喉の滑りをよくしたり、山芋やかぶなど、とろみのある食材を混ぜ合わせたりするのもおすすめです。

リハビリで嚥下機能を向上させる

嚥下力が弱いからといって、噛んだり飲みこんだりする機能を使わないでいると、さらに機能が低下してしまいます。唇やほお、上あご、舌の動きを高める「パタカラ発音」や、頬をふくらませてにらめっこをしたり、わざと咳をしたりするなど、積極的に嚥下に関わる機能を使うようにしましょう。

もちろん、話したり大きな口を開けて笑ったりすことも、立派な機能訓練になります。そのため、ただ楽しくおしゃべりするだけでも良いでしょう。また、義歯や歯の欠損などのチェックや、食後にはうがいや歯磨きによる口腔衛生を徹底することも大切です。
>>嚥下障害のリハビリ