うつ・抑うつの対応

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うつ・抑うつとは

うつや抑うつとは、一般的には特に体の異常がないにも関わらず、次のような症状が見られるものです。

・不眠
・気分が落ち込む
・やる気が出ない
・無関心
・食欲不振
・空虚感
・自殺願望 など

認知症によるうつ・抑うつ

認知症によるうつや抑うつでは、初期段階で注意力の低下や物忘れなどの認知機能の低下が見られるでしょう。そしてゆっくりと進行していくところが、一般的なうつ病と大きく異なります。

また、うつ病では、一般に悲観的になりやすいですが、認知症では楽観的になるケースが多くなります。そのため、深刻さを伴うことはあまりありません。

うつや抑うつの症状を引き起こしやすいのは、「レビー小体型認知症」だといわれています。幻視や震えやこわばりなどの身体症状も見られる場合には、「レビー小体型認知症」を疑ってもいいでしょう。
>>レビー小体型認知症とは 原因・症状・対応方法

うつ・抑うつの原因

環境の変化

まず原因として考えられるのは、環境の変化です。例えば親しい人が亡くなったり、住み慣れた土地を離れたり、介護施設への入所などがあげられます。

認知症患者にとって環境が変わることは、想像以上に大きな影響を及ぼします。そして、それがきっかけでうつ症状が出る方も少なくありません。

自分の行動に落ち込みうつになる場合

また、認知症を患い、物忘れをしたり家が分からなくなったりすることが原因で自分の姿に落ち込み、うつになるケースもあるでしょう。

薬の副作用

パーキンソン病や高血圧の治療ために服用している薬が、うつを招く要因となっている場合もあります。

うつ・抑うつのチェックリスト

様子がおかしいなと思ったら、下記のサイトから自己診断チェックシート(東邦大式)を受けてみてください。

「体がだるく疲れやすいですか」、「くびすじや肩がこって仕方がないですか」、「テレビをみて楽しいですか」などの18の質問に「いいえ」、「ときどき」、「しばしば」、「つねに」で回答し、うつ傾向を知るためのチェックシートです。

>>(外部サイト)綾瀬市・心の健康チェックをしましょう~自己診断チェックシート(東邦大式)

本人に受けてもらうだけではなく、介護者の方も知らず知らずの方にうつ状態に陥っているかもしれません。自分の心の状態を確認するのも大切です。

老人性うつ病を疑いましょう

うつ病とは、抑うつ気分、興味や喜びの喪失、慢性的な疲労感や活動性の減少が起こる精神疾患です。高齢者の場合、老人性うつ病というものがあり、完治する可能性があるにもかかわらず、認知症と間違われて治療が遅れることも少なくありません。
>>“老人性うつ病”とは 認知症に似た症状も

ゆっくりと進行する認知症とは違い、発症の時期がある程度明確にできたり、時間帯によって症状が強く出るといった特徴もあります。

うつ・抑うつの対応方法

できるだけ、不安や焦燥感を取り除いてあげられるようにしましょう。

食事を残したり、いつまでも起きていたり、話が上の空だったりする場合でも、「早く寝なさい」「どうして食べないの」などと怒ってはいけません。このような注意や叱責は、うつ症状をさらに加速させてしまいます。

話をじっくり聞き、決してせかすことなく、言葉が出てくるのを待ってあげることが大切です。

うつ・抑うつの予防法と改善策

わずかなサインを見逃さない

うつを予防するには、周りの人がわずかなサインを見逃さないことです。今まで関心があったものに興味を示さなくなったり、部屋から出てこなくなったり。あるいは、会話しなくなった、夜なかなか眠れなくなったなど、何かしらのサインがあるはずです。

孤独にさせず、気分転換を促す

また、1人にしないようにして、できるだけ家族と一緒に過ごす時間を多く持ちましょう。そして昔の楽しかった出来事を話題に脳を刺激し、精神を安定させてあげてください。その他にも好きな音楽を聴かせたり、散歩に連れ出したりするのもよい方法です。好きな音楽は、脳をほどよく刺激してくれます。さらに、散歩は大きな気分転換になるのです。
ただし、決して無理強いしてはいけません。誘ってみて本人が嫌がるようなら、時間を置いたり、日を改めてトライしたりしてみましょう。