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せん妄とは 原因と対応方法 認知症との違いも紹介

せん妄とは 原因と対応

せん妄(譫妄)とは、意識障害が起こって頭が混乱した状態を示します。高齢者に多く見られ、15~50%は、入院中にせん妄を経験するそうです。

せん妄の症状と特徴

主な症状

・幻視や妄想
・興奮状態(大声を出す、そわそわと動き動き回る、暴力など)
・認知症のような症状(集中できなくなる、最近の出来事を忘れる、どこにいるのかが分からなくなる、会話が噛み合わなくなるなど)
・睡眠リズムの障害(昼夜逆転や、睡眠中も落ち着きがないなど)
・意識の混濁

特徴

せん妄には以下のような特徴があり、似ている症状を区別する基準となります。
上記のような症状が出たときには、次の3項目に当てはまるかどうかを確認してください。

・急に発生する(「〇日前から」など症状の出た時期を特定しやすい)
・一時的に発生しておさまる
・日中は平気なのに夕方や夜間にひどくなるなど、症状が変動する

せん妄の見分け方

せん妄の診断に主に使用されているのが、アメリカ精神医学会のガイドライン(DSM-5)です。

診断基準

A:注意の集中や維持に障害があり、意識に障害がある
B:短期間(障害は数時間から数日間)で発症して、1日を通して重症度が変動する傾向がある
C:認知(記憶・見当識・言語・視空間能力など)の障害がある
D:AとCの障害は、認知症ではしっかりと説明できない 
E:身体疾患、アルコールや薬物といった物質中毒や離脱など、ひとつまたは複数の直接的な生理学的結果により引き起こされたという証拠がある

また、せん妄は症状の出方によって3つのタイプに分類されます。

・過活動性せん妄…大声を出して暴れたりといった問題行動を起こすタイプ(全体の20%)
・低活動性せん妄…混乱しているものの沈静しているタイプ(全体の30%)
・混合型せん妄…上記ふたつが合わさっているタイプ(全体の50%)

せん妄にはいくつか間違われやすいものがあるので、それぞれの違いを知っておくといいでしょう。

認知症との違い

せん妄の症状を見た家族が「認知症になったのか」と思うこともあります。
下記のような特徴があれば認知症ですが、当てはまらない場合にはせん妄だと考えていいでしょう。

・ゆっくりと症状が進行するので発症の時期が特定できない
・意識がはっきりしている

うつ状態との違い

低活動型せん妄と間違えやすいものに、うつ状態があります。
下記のような特徴があれば、うつ状態だと考えてもいいでしょう。

・発症後、週や月単位でゆっくりと発生するので時期の特定があいまい
・物忘れなどを自覚して主張する(認知機能に障害が出ていても軽度)
・錯覚や幻覚はまれにしか起こらない
・絶望感や無価値観などを抱えている
・寝つきが悪く、夜間途中で目が覚める

不穏との違い

不穏とは周囲を強く警戒し、落ち着きがなくなって大声を出したり、暴力をふるったりする状態です。

不穏はせん妄が原因で起こることもありますが、不穏が起こったら必ずせん妄が原因とは限りません。認知症が原因の場合もありますし、不穏が起こらないせん妄患者もいます。

せん妄の種類

主なせん妄の種類には次のようなものがあります。

夜間せん妄

昼間は症状がなく、夕方から夜にかけてせん妄が出現する

術後せん妄

手術後しばらくしてから発生するせん妄

薬剤性せん妄

処方薬などにより引き起こされるせん妄

アルコール離脱せん妄

アルコール依存症の人などが起こすせん妄。手の震えなどが伴う

せん妄の症状が見られたら医療機関の受診を 

せん妄を引き起こす原因を突き止めたら、その原因に対して薬物療法を行い、環境を整えるといった処置をします。症状が見られたら、まずは認知症専門医や精神科などの医療機関を受診しましょう。 

せん妄について介護専門家からはこんな意見が出ています。

お薬の調整は必須です。お薬の調整が合えば、暴言やせん妄などを改善できますし
認知症の進行を穏やかにできます。原因病状が特定されないと、効果的な正しい処方
が出来ないので、認知症専門医での受診をお勧めします。
(専門家みなみんさんの回答)
介護のQ&A「父の認知症の介護について」 

介護保険が使える人であれば、主治医を交えてケアマネジャーに相談してみるのも1つの方法です。せん妄が強いときは対応が難しいので、医師やヘルパーなどに相談してサポートを受けましょう。

せん妄の検査

病院ではせん妄かどうかの診断や原因の特定が行われます。 

《病歴などの聴収》

病院では家族に「いつ頃症状が発生したか」、「どのくらいのスピードで進行したか」、「飲んでいる/最近飲むのを止めた薬について」、「健康状態」などを聞かれるので、答えられるようにメモをしておきましょう。 

《身体診察》

脱水症状などの診察のほか、精神状態の評価も行います。 

▼3分でせん妄を診断できる3D-CAMが登場
今までせん妄の診断に使われてきた指標は、160もの調査項目があり、実施に60~90分もの時間がかかるものでした。 

そこで効率よく診断を下すために開発されたのが、診断項目を20項目に絞った3D-CAMです。公益財団法人長寿科学振興財団が発行しているAging&Health(2015年冬号)によると、201例に用いて有用性を検討したところ、実施所要時間は3分間でした。 

また、認知症の方がせん妄を起こした場合など、見逃されやすい例の診断率も高かったそうです。

《血液や尿検査、CT検査、MRI検査など》

その他、血液検査などを行い、原因を特定していきます。  

高齢者がせん妄を起こす原因

高齢者がせん妄を起こす原因はさまざまです。 

環境変化や手術などのストレス 

ストレスの多い環境や経験によって、せん妄が出やすくなります。 入院や介護施設への入所、家族との別れなど大きな環境変化や、手術がストレスとなってせん妄が出ることが少なくありません。

 他にもメガネや補聴器を使用できずに感覚が遮断されたことが、ストレスになることもあります。

体調悪化 

体調が悪いことも影響します。若い人ならなんてことのない次のような条件でも、高齢者の場合にはせん妄を起こすことがあります。

・脱水
・尿路感染症、インフルエンザ、ビタミンB12欠乏症などの疾患
・低栄養
・ひどい便秘 

薬の服用 

処方薬や薬の飲み合わせによってせん妄が起こることもあります。レボドパ製剤(パーキンソン病の薬)や抗うつ薬、睡眠補助薬などの鎮静薬、向精神薬、抗コリン作用のある薬剤(抗ヒスタミン薬含む)、心不全治療薬などの中には、せん妄が出やすい薬があります。 

他にも3種類以上の薬の飲み合わせや、今まで飲んでいた薬を止めたことで起こるせん妄もあります。 

生活リズムの崩れ 

睡眠不足がせん妄を引き起こすほか、昼夜逆転が原因となってせん妄を引き起こすことがあります。日中に眠って夜起きていると、暗いこと、あるいは誰もいない静けさから不安が大きくなり、せん妄が出やすくなるのです。 

中枢神経が脆弱化

高齢そのものや認知症、脳血管障害、アルコールの多飲などにより、中枢神経が弱まることが、せん妄の原因となっていることがあります。

せん妄の予防法 

体調管理と周辺環境の整備を 

せん妄を予防するためには、日常の体調管理と環境を変え過ぎないことが大切です。また、昼夜が逆転してしまうような生活にならないよう、日中に起きていることも必要です。

また、高齢者は水分補給が少なくなって脱水症状になりやすいため、水分の補給頻度や便秘になっていないかなどをチェックしましましょう。

ストレスの原因を取り除く 

環境の変化はストレスの原因になるので、部屋の環境はできるだけ変えないようにしましょう。

環境が変わったことでイライラして眠れなくなり、睡眠不足が続いてしまうとせん妄の状態は改善しません。眠りやすい環境を整えてあげましょう。 

せん妄が起こったときの対応方法 

まずは穏やかに話しかけて対話を 

せん妄が出たときの対応は非常に厄介ですが、家族や介護者は、まずゆっくりとはっきり話しかけるようにしましょう。
穏やかに話しかけるようにして、様子を見てあげてください。

言葉をかけても落ち着かないのは、もしかしたら聞こえていないだけかもしれません。
興奮状態であっても、頭の中はボーッとしています。
おかしなことを言っている場合は、幻覚が見えている可能性もあります。話を合わせて聞いてあげるようにしましょう。 

暴力が出るときは要注意 

噛み付いたり殴ったり、蹴ったりという暴力が出ているときは、危険ですので少し離れて様子を見ると良いでしょう。

無理に止めようとすると、余計に興奮して転んだりするかもしれません。注意してください。 

落ち着ける環境づくりを 

光や音の刺激を適切にして、落ち着ける環境を保ちます。
時計やカレンダー、家族の写真などの見慣れたものや、メガネや補聴器といった周囲の環境を把握するための補助器具は、すぐに手の届くところに置いておきましょう。

入院中は付き添いが必要になることも 

入院中にせん妄を起こしたり、認知症などでせん妄を起こす可能性があるケースでは、家族が付き添うように言われることがあります。 

しかし、急な場合など付き添いができないこともあるでしょう。その場合の相談先として、専門家からはこんな意見が出ています。 

もし睡眠のリズムができたり(夜間ぐっすり休まれたり)、日中病院に馴染まれると落ち着いてこられ付き添いの必要がなくなる場合も想定されますが、とりあえずは、どなたか当たっておいた方がいいと思います。 

もしかしたら、病院から紹介していただいたり、ケアマネジャーさんでも知っている方がおられるかもしれませんので、お尋ねになってみてはいかがでしょうか?
(専門家norikoさんの回答)
介護のQ&A「認知症の人の入院付き添いについて」