認知症サポーターとは
認知症サポーターとは
認知症サポーターとは、分かりやすく言い表すと「認知症の正しい理解を持ち、地域の認知症を患う人やその家族を支援する人」のことをいいます。
2005年に厚生省が「認知症を知り 地域をつくる10ヵ年」構想の一環として、「認知症サポーターキャラバン」事業をスタート。認知症になっても安心して暮らせるまちを目指して、認知症の人や家族を支援する認知症サポーターの養成が進められています。
認知症サポーターになるには
認知症サポーターになるには、指定の認知症サポーター養成講座を受講するだけでよく、特別な資格は必要ありません。
2016年9月末時点で、全国の認知症サポーターの数は805万人。経験や年齢による制限もなく、小学生の認知症サポーターもいます。
認知症サポーター養成講座
養成講座の主催者:自治体や企業、団体など
受講料:無料(ただし、会場を借りる場合の費用は受講者持ち)
受講時間:1時間〜1時間半ほど
《受講の申し込み方法》
受講を希望する場合は、居住地の認知症対策窓口や高齢者支援などの担当窓口へ申込みましょう。基本的に、10人ほど集められる企業や団体の従事者であれば受講が可能です。
認知症サポーター養成講座の講師を務める「キャラバン・メイト」は、講師になるための養成研修を修了した介護従事者や民生委員、医療従事者などが、ボランティアで務めています。
受講後に贈られるオレンジリング
講座を受講して認知症サポーターに認定されると、「全国キャラバンメイト連絡協議会」という団体からオレンジリングという、オレンジ色のブレスレットが贈られます。
これは「認知症を支援します」という意志表示を示すものです。外出時には身につけるようにするといいでしょう。
認知症サポーターの役割
認知症サポーターは、地域の認知症の人が穏やかに生活できるように見守り、支援していくことが目的で設けられたものです。しかし、だからといって、何か特別なことをしなければならないというわけではありません。
サポーターの約割は、認知症に対する正しい知識と理解を持ち、本人だけではなくその周りの家族にとってもよき理解者であること。ですから特別なことをしなくても、それぞれが自分にできることを考え、できる範囲で支援すれば良いのです。例えば仕事中や散歩中などに認知症で困っている人を見かけたとき、「大丈夫ですか?」「お困りですか?」と声を掛けるだけでも構いません。
また、気になる高齢者を見かけたときには、民生委員に報告することも大切な役目です。
認知症サポーターに期待されること
今後、認知症サポーターは全国的に増えていくことでしょう。そこで期待されるのは、認知症を正しく理解し偏見を持たないこと。そして認知症を温かく見守る目が養われ、地域に相互扶助や連携が生まれネットワークができることです。
▼「認知症サポーターが大勢いる街は安心な街になる」と、小中学生の認知症サポーター育成を支援するキャンペーンCM
さらに、認知症サポーターの受講者の中から、認知症の人が住みやすい地域の街づくりを担うリーダーが誕生することなども期待されています。