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認知症の食事拒否 6つの原因と対策

認知症の方だけではなく、高齢者の方が楽しみにしているのが“食事”や“おやつ”です。生きていくうえでも食べることは大切です。

お年寄りの中には、日常生活で動くことが少なくなっているため、若い人よりもお腹が空きにくいことがあります。だからといって、食事をとってくれない日が、何日間も続くのは問題です。特に認知症の方は、食事拒否を起こすことがあります。

認知症の方を中心に、高齢者の食事拒否の原因や対策方法をまとめます。

認知症の食事拒否―6つの原因と対策

【目次】

1.食事拒否の原因と対策
2.高齢者の「食べない」は認知症に限らない
3.怒ったり焦らせたりはNG

食事拒否の原因と対策

食べ物だと認識できない

認知症になると、目の前にあるものの意味が分からない“失認”が起こる場合があります。

「食べ物を見ても食べるものだと分からない」ため、手でいじってみたり、放り投げたりする行動が見られます。

《対策》
まずは「好きな○○ですよ」「美味しいご飯ですよ」と声をかけたり、目の前で食べて見せると、食べ物だと認識してくれることがあります。

食べ物だと分からず食事ができないため、胃ろうになる方もいます。

食べ方がわからない

「箸を持って食べ物を口に運び、噛んでから飲みこむ」…人生の中で当たり前のようにしていた行動ができなくなる“失行”も認知症の症状です。

《対策》
目の前で自分が食べて見せてください。真似をしてくれることがあります。

体調が悪い

口内炎や入れ歯が合わないなど、口の中の状態が悪くて食事を食べたくなかったり、便秘や風邪などで食欲がない場合があります。
体調が悪いことを訴えられないので、不機嫌になったり、怒りっぽくなることもあります。

《対策》
質問をして原因を探りましょう。この時、「お腹が痛い?」、「入れ歯の調子はどう?」など、「はい」か「いいえ」で答えられるように聞くといいでしょう。

1日様子を見て、食欲が出ないようでしたらかかりつけ医にご相談ください。

普段からの予防として、排便のチェックで便通状態を確認するほか、専門家からはこんなアドバイスが投稿されています。

口腔ケアも重要だと思います。口の中が乾燥していませんか? 乾燥していると口の中の感覚も変わってきますから、味覚・触覚等感じ方も変わります。食べても美味しくないと思います。(専門家あぁさんの回答)
引用元:介護のQ&A 「認知症の母の食事拒否の対応について教えて下さい

落ち込みやうつ状態

気持ちが沈んで食事どころではなかったり、「美味しい」、「楽しい」と感じられなくなっているのかもしれません。

また、本来なら介護を受ける必要がある人自身が、介護を拒否してしまう「セルフネグレクト」という状態に陥っている可能性もあります。

《対策》
最初の一口を食べてくれれば、次々と食べてもらえることがあります。
「作りすぎたので食べてくれますか?」、「味見をお願いします」など、一口を食べてもらえるように声掛けを工夫しましょう。
濃いめの味付けや甘い味付けにして、「美味しい」と感じてくれれば、後は自分で口に運んでくれるかもしれません。

もし食事の時間にひとりきりでいるようなら、食事の時間にヘルパーさんに入ってもらうなど、誰かがいる環境を作るだけで、食欲が戻る方もいるそうです。

また、対策としてこんなアドバイスが投稿されています。

とにかく、食べない飲まないと、体力はどんどんと落ちてしまいます。
まずは体力の回復です。かかりつけ医師に相談をして点滴栄養をしていただきましょう

身体に水分と栄養が回り始めると気持ちも活性化して気力もアップしてくるものです。
あとは、以前のように家族の方が声をかけ身体を動かしてあげることです。(専門家とすかーなっちさんの回答)
引用元:介護のQ&A 「20日間の施設入所で激変した母の様子について教えてください

食事と言う考えではなく好きな食べ物を少しずつ、おやつと思ってこざる様が介助で食べさせてみてはどうでしょうか。(専門家sumire12さんの回答)
引用元:介護のQ&A 「認知症の叔母。入院してから食事拒否。何か良い方法があれば教えて下さい

ご家族が「私は、元気でいて欲しいよ。」というメッセージを言葉と雰囲気で伝えていくことは大切だと思います。
自分も、食事をとらなくなった家族を見ていた時、本当に悩みました。
家族の生命力を信じながら、励まし続けたことを思い出します。
また、いい匂いの花や、きれいな写真を見せて気持ちの切り替えを図れるように試みたりしました。(専門家那音さんの回答)
引用元:介護のQ&A 「薬 食事拒否

嚥下力(飲みこむ力)が弱っている

食べ物を口に運んだものの、吐き出してしまったり、ずっと口の中に入れて食事が進まないのは、飲みこむ力が弱っているからかもしれません。

《対策》
食べ物の固さを変えてみたり、小さなサイズに切り分けてみましょう。
それでも食べにくそうにしている場合については、専門家からこんなアドバイスが投稿されています。

経口摂取に対しては、トロミ剤の仕様や、らくらくゴックンといった流動食を口に流し込む器具の使用。今は、高カロリーの流動補助食品があったり、高カロリーの水分摂取できるものがあったりしますので、そのような物を食べていただきながら様子を見ていく事も考えられると思います。(専門家Hiro2446さんの回答)
引用元:介護のQ&A 「認知症の食事拒否について

薬の影響

薬の飲み合わせなどで眠たくなってしまったり、脱水状態に陥っていることもあります。

《対策》
複数の病院の処方箋を処方してもらう「かかりつけ薬局」をつくり、飲み合わせの管理や副作用の相談がしやすい環境を作りましょう。
>>関連記事:費用効果も?“かかりつけ薬局”のメリットとは

高齢者の「食べない」は認知症に限らない

「ほとんど食事に手を付けなくなった」「食事を3食取りたがらなくなった」など、高齢になると認知症による食事拒否ではなく、「食べられない」「食べたくない」という状態に陥ることがあります。

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そんな時に気を付けたいのが、低栄養です。低栄養とは、特にエネルギーとたんぱく質が欠乏し、健康な体を維持するための栄養素が取れていない状態のことです。70歳以上の高齢者に必要だといわれているカロリーは、女性で1,500~2,000キロカロリー、男性では、1,850~2,500キロカロリーです。
>>関連記事:注意したい高齢者の低栄養 みんなの対策は?

とくにひとり暮らしの高齢者には、「孤食」「不規則な食生活」「メニューの偏り」といった傾向があることが分かっています。
>>関連記事:介護予防のために心掛けたい「健康な食事」

安心介護が行った「介護中の食事・栄養摂取についてのアンケート」では、6割以上の方が「要介護者が食事を摂らなくて困った事がある」と回答しました。対応について質問すると、約3分の1の方が栄養補助食品や高カロリープリンなどの市販の商品を使ったり、栄養保持に使われる経腸栄養剤を医師に処方してもらったりと、普段の食事以外で対応しているという声です。
>>関連記事:【介護での栄養摂取に関する意識調査】在宅介護者の6割以上が「要介護者の栄養が不足している」と実感

低栄養や介護予防を予防するためにも、適切な栄養管理は欠かせません。高齢者の食事で、日々気を付けたいポイントについては、下記の記事を参照してください。
>>関連記事:介護予防のために心掛けたい「健康な食事」 

怒ったり焦らせたりはNG

食べるのを促すときや、食べない理由を聞くときには、「どうして食べないの?」、「早く食べて」など怒ったり焦らせたりするのはNGです。

意地になってしまったり、食事の時間が怖いものだと思ってしまうかもしれません。

もちろん無理やり食べさせると、気管や肺に食べ物が入ってしまい、誤えん性肺炎を引き起こしかねないため、厳禁です。

声掛けをするときにはボディータッチなどもしながら、明るく笑顔で行い、食事の時間が楽しくて安心できるものだと思ってもらいましょう。