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介護用歩行器の種類をチェック!タイプ別特徴と選び方のポイント


自立歩行が難しくなってきた高齢者などをサポートする歩行器。在宅介護にぜひとり入れたい介護用品ですが、その種類は多岐にわたるため、あらかじめ選択肢を把握しておくことが大切です。本記事で、歩行器の種類や効果のほか、選び方の基本ポイントを確認しましょう。

目次

  1. 歩行器にはさまざまな種類がある
  2. 歩行器の役割と期待できる5つのメリット
  3. 歩行器を選ぶ際に確認したい基本ポイント
  4. 最適な歩行器を選んで在宅介護に役立てよう

歩行器にはさまざまな種類がある

介護用歩行器と男性

歩行器にはどのような形状・機能を有するものがあるのでしょうか。

まずは歩行サポート用具における歩行器の位置づけを確認し、そのあとに具体的な種類を見ていきましょう。

歩行サポート用具における歩行器の位置づけ

介護で利用されている歩行サポート用具は、歩行器だけではありません。大別すると歩行器のほかに杖やシルバーカーがあり、役割や使い勝手が異なります。

それぞれに種類があるので一概には言えませんが、役割を大まかに分けると以下のようになります。

 

  • 杖:腕の力があり、比較的歩行バランスがとりやすい方
  • 歩行器:自立歩行が難しく、杖では不安定な方
  • シルバーカー:足腰の衰えはあるものの、自立歩行が可能な方

 

杖はシンプルな一本杖のほか、安定性が高い多脚杖や握力が弱い方が使いやすいロフストランドクラッチなどがあります。

歩行サポート用具は身体状況に応じて選びますが、歩行器は自立歩行が難しい方や、歩行バランスが特に悪い方のリハビリや在宅介護に用いられることが多いです。

シルバーカーは歩行器と見た目が似ていますが、身体を支える造りになっていないので混同しないようにしましょう。

歩行器の主な種類と特徴

介護用の歩行器には、主に以下の3種類があります。

 

  • 固定式歩行器
  • 交互式歩行器
  • キャスター付き歩行器(歩行車)

 

そのほか、派生タイプとして屋外用や付加機能が付いたものも。それぞれの特徴をチェックしてみましょう。

固定式歩行器

歩行器を構成するフレーム(枠組み)が固定されている、最もスタンダードなタイプです。身体の前方と側面を囲むようにフレームがあり、両手でグリップをつかんで身体を支えることができます。

歩行器を持ち上げてやや前方に置き、歩みを進めたら再び歩行器を前に置く、という動作をくり返します。軽くて持ち上げやすいので、段差の昇り降りも可能です。

交互式歩行器

交互式歩行器は、左右のフレーム(アーム)が左右に動かせる仕様になっています。歩き方は、まず右側のアームを押し出したら左足を一歩出し、次に左アーム、右足という順に動かします。

手足の筋力が衰えている方に適していますが、動作がやや難しいので、身体をスムーズに動かせない方には不向きです。

キャスター付き歩行器(歩行車)

固定式歩行器の脚に車輪(キャスター)が付いているタイプで、そのまま押して進みます。車輪は前脚だけのものや、4脚すべてに付いているものなどがあります。

前輪のみのタイプは、歩行器の後ろ側を少しだけ持ち上げ、車輪を転がしながら前進します。

フレームにクッション性のある肘当てが付いているタイプ(肘支持型歩行車)なら、前腕で歩行器にもたれかかりながら移動できます。腕力が衰えた高齢者でも使いやすいですが、歩行器を押し出し過ぎるとバランスを崩すことがあるので注意しましょう。

屋外用の歩行器(歩行車)

屋外で使いやすい歩行車もあります。モーターや傾斜センサーが備わっているタイプなら、スピードを制御できるので坂道でも安全に使えるでしょう。ちょっとした荷物を入れられるカゴや、休息用の腰掛けが付いているタイプも便利です。

プラスαの機能が付いているタイプも

歩行器としての基本機能に加えて、以下のようなプラスαの機能が付いているタイプも。

 

  • 折りたたみ機能
  • 高さ
  • 幅調節機能
  • ブレーキ機能

 

コンパクトに折りたためるタイプは電車やバスを利用するときに便利です。サイズを調節できる機能が付いていれば、体格や姿勢に合わせた調節ができ、身体状況の変化にも対応しやすいでしょう。

歩行器の役割と期待できる5つのメリット

歩行器リハビリ

では、在宅介護に歩行器をとり入れると、どのような利点が得られるのでしょうか。主なメリットを5つご紹介しましょう。

メリット1:腰や膝などの痛みを軽減する

歩行器のメリットとしてまず挙げられるのが、足腰の痛みの軽減です。歩行器に少し身体をあずけられるので、足腰にかかる負担を分散させることができます。

高齢者に多い大腿骨骨折や腰椎圧迫骨折、リウマチ、関節症などは足腰に強い痛みをもたらします。痛みがあると歩行困難になり、そのままでは寝たきりになってしまう可能性も。ですが、歩行器があれば痛みを和らげながら歩けるようになるので、寝たきり予防にもつながります。

メリット2:筋力の衰えにより低下した歩行機能をサポート

高齢になると筋力が衰え、歩行機能も低下してきます。脚力が落ちると歩行スピードが遅くなるほか、足が上がりにくくなってつまずきやすくなります。つまり、筋力の衰えは転倒リスクとも直結しているのです。 歩行器を使えば高齢者でも無理なく歩行訓練ができ、少しずつ脚力を鍛えることができます。

メリット3:バランス機能低下によるふらつきを防ぐ

歩行器は加齢や病気、ケガの影響によるふらつきを防ぐ役割もあります。歩行器を手で支持しながら体重を支えられるので、歩行時の姿勢を安定させることができます。脳卒中の後遺症などで麻痺があり、左右のバランスがとりにくい方でも、歩行器を使えば安全に移動しやすくなるでしょう。

メリット4:介護される人のQOLを高める

歩行器には、歩行機能面のメリットだけではなく、高齢者や被介護者の生活の質(QOL:Quality of life)を高める効果も期待できます。

なぜなら、歩行器を使うと自分で移動できる範囲が広がり、自尊心が保たれるからです。足腰が弱って自立歩行が難しくなった高齢者は、自信を失い、引きこもりがちになる方も多いです。

ですが、歩行器を上手に活用すれば活動量が増え、生活面にもメンタル面にも良い影響を与えてくれます。

メリット5:介護する人の負担を軽減する

介護する方の負担を減らせるところも大きなメリットです。

歩行困難な方の移動介助は身体的・精神的な負担をともないます。食事やトイレの際の移動のたびに移動をフォローすることになりますから、毎日となるとストレスも溜まりがちに。

お世話をしているご家族が歩行器を使えるようになれば、介助なしで移動できる範囲が広がり、介護する方も気持ちにゆとりを持てるようになるでしょう。

歩行器を選ぶ際に確認したい基本ポイント

ケアマネージャーへの相談

さいごに、歩行器を選ぶ際のチェックポイントをお伝えします。

歩行器などの福祉用具はケアマネジャーや専門家の意見を聞きながら選びますが、基礎知識としてあらかじめ確認しておきましょう。

不適切な歩行器を使うのは逆効果

歩行器には色々なバリエーションがあることをご説明しましたが、選び方を間違えると逆効果になる可能性があるので要注意。不適切なものを使うとかえって痛みが増したり、転倒しやすくなったりして危険です。

また、手首に痛みがある方や腕の力が弱い方の場合、歩行器自体が不向きなケースもあります。

どこで・何のために使うかを明確にする

歩行器を選ぶときは、まず、利用場所や目的を明確にしましょう。

基本的に、歩行器は段差がないバリアフリー環境での利用に適していますが、小さな段差なら対応できる種類もあります。近所への外出を想定しているなら、ブレーキや腰掛けが付いている歩行車タイプが選択肢に加わります。

歩行器は種類が多くて迷ってしまうと思いますが、「どこで」「何のため」に使うのかをはっきりさせておけば、適切なものを絞りやすくなりますよ。

体格や身体機能のレベルに合っているかチェックする

利用者の体格や身体状況にサイズ等が合っているかも重要な検討ポイントです。歩行器の幅や高さが適切でないと、使いにくい上に安全な歩行ができません。

正しい姿勢で安全に利用するために、腰の曲がり具合や体重を支えやすい姿勢などをチェックし、適切な高さ・幅の歩行器を選びましょう。

また、高齢者の身体状況は変化するので、サイズを調節できる機能が付いていると便利です。

最適な歩行器を選んで在宅介護に役立てよう

歩行器にはさまざまな種類がありますが、その中から最適なものを選べば被介護者の心身に好影響をもたらしてくれます。また、利用者ご自身で移動できる範囲が広がれば、介護を担う方の負担も和らげることができるなど、多くのうれしいメリットが得られるはずです。

歩行機能が衰えた方の在宅介護をすることになったら、積極的に歩行器をとり入れましょう。

(文・ 吉村綾子)

 

監修者 山岸駿介
監修者 山岸駿介
理学療法士。臨床経験は7年。急性期から慢性期、スポーツ分野など幅広い分野を経験。医療・介護・スポーツなど幅広い分野のリハビリに携わり、老若男女に正しい運動で、健康的な生活を送るサポートしている。