要介護5とは

介護認定を受けると、非該当(自立)、要支援1~2、要介護1~5までの結果が出ます。 要介護5と認定された場合、使える介護保険サービスや気をつける事を以下にまとめました。

 

要介護5

要介護5はどんな状態か

要介護5とは、身の回りのことがほとんどできず、最重度の介護が必要な状態です。寝たきりの状態であることが多く、リハビリによって要介護度の改善を目指す人もいれば、看取りの時期に入っている人もいます。

身の回りの世話や排泄などの日常生活や自力での歩行や立位保持がほとんどできません。自分で体位を変えることが難しい場合も多く、褥瘡(じょくそう)予防のために定期的に体位を変える介助をしたり、体位を変えてくれるベッドマットをレンタルする必要があります。

また、問題行動が多くなり、理解力も全般的に低下していることがあります。

在宅介護の場合、要介護者の支援だけではなく、介護者のレスパイトも意識したケアプランが作成されます。介護が感じている負担やストレスについて、日ごろからケアマネジャーと話しておくといいでしょう。

>>要介護認定について介護のQ&Aを見る | 介護のQ&A | 

要介護5の1ヵ月の支給限度額はいくらか

介護保険制度では、要介護5の方が使える介護サービスの上限は、360,650円です。
自己負担額は原則1割。一定以上の所得がある方は、所得に応じて2割または3割です。

<上限までサービスを利用した場合の1ヵ月の金額>

1割負担:36,065円
2割負担:72,130円
3割負担:108,195円

介護サービス費用の自己負担金額が一定の金額を超えた場合、申請により超えた分が戻ってくる「高額介護サービス費制度」が利用できます。

自己負担の上限金額は、所得などの諸条件によって区分けされています。本人または世帯全員が住民税課税者の場合、月額の自己負担上限額は、2021年8月より所得に応じて44,400 円~140,100円です。詳しくはケアマネジャーや地域包括支援センターなどに相談してください。

>>高額介護サービス費で介護費用が安く?手続き方法や具体例も紹介

介護保険で利用できるサービスの目安

週7日のサービス

(例)

生活援助に加えて身体介護の介護サービスを利用することが多くなります。身の回りの世話がほとんどできない状態なため、起床や就寝時などに短時間の介護サービスを利用するといいでしょう。立位だけではなく、座位を保つのも難しくなっているので、入浴はデイサービスでお願いするなど、プロに任せるのが安心です。寝たきりの場合には、看護師の見守りのもとで自宅で入浴できる訪問入浴介護の利用もおすすめです。

「平日は毎日デイサービスへ」「月の半分はショートステイを利用」など、介護サービスを上手に利用して介護者が休める時間を作るようにしましょう。

排泄に介助が必要なため、リハビリパンツや紙おむつなどの介護用品の消費が多くなります。多くの自治体では、テープ式紙おむつやリハビリパンツ、パッドなどの大人用紙おむつの支給を受けられます。口からの食事ができるようであれば、柔らかさや栄養バランスを調整した配達弁当や市販の介護食など、介護保険外のサービスを利用するといいでしょう。 

介護サービス利用可否表

自宅で受ける介護サービス

訪問介護
訪問入浴介護
訪問看護
訪問リハビリテーション
夜間対応型訪問介護
居宅療養管理指導
定期巡回・随時対応型訪問介護看護

一時預かりサービス

短期入所生活介護(ショートステイ)
短期入所療養介護(医療型ショートステイ)

日帰りで受ける介護サービス

小規模多機能型居宅介護
通所介護(デイサービス)
通所リハビリテーション(デイケア)
認知症対応型通所介護
看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)

生活環境を整えるサービス

福祉用具貸与(レンタル)
特定福祉用具販売
住宅改修

長期入所できる施設サービス

有料老人ホーム △(介護付き)
ケアハウス(軽費老人ホーム)
60歳以上の高齢者または夫婦のどちらか一方が60歳以上、自分で身の回りの世話ができる
身のまわりのことが自分でできなくなると退去。
-
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
介護老人保健施設(老健)
介護療養型医療施設
介護医療院
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
養護老人ホーム
※養護老人ホームは、介護の必要性に関係なく環境的・経済的に在宅で生活することが困難な高齢者を対象
身のまわりのことが自分でできなくなると退去。
-
サービス付き高齢者向け住宅

ケアハウスや養護老人ホームなどは、身の回りのことが自分でできなくなると退去が必要です。そのため要介護5での入居は難しいでしょう。また、共同生活の場であるグループホームでは、受け入れが難しいことが多いですが、近年では看取りに対応したグループホームも増えています。

要介護5のよくある質問

要介護5でも在宅介護は可能?

要介護5の方が在宅での生活を続ける場合、食事や排せつなど日常生活の多くの場面で介助が必要となります。寝たきりの場合には、褥瘡(じょくそう)予防のために定期的に体位を変える必要があります。

要介護度の重い方の在宅介護について、専門家からはこんなアドバイスが寄せられています。

在宅介護は心身共に大変ですが、家族が一つになってご両親様と同居なさるメリットは大きいと思います。

在宅介護に向けて確認しておきたいことは以下のことだと私は思います。

・住所の近くに開業医(望ましい)がおられるか、体調の変化、服薬管理等で出来れば往診可能な主治医さん。

・定期的なデイサービス、ショートステイ、出来れば訪問看護(体調管理)訪問介護(排泄介助)もお願いされるとよいでしょう。

・老健退所直前でよいので、一時帰宅をお願いして、介護用ベッド(+付属品)、ポータブルトイレ、車椅子、スロープ等の福祉用具購入とレンタルを本人を交え、ケアマネさんと協議。

・介護をご家族様だけでしなければならないというお考えを「介護サービス、ケアマネさん、地域のみなさんで支えていってもらう」ということに切り替えて、ゆとりを持った生活が出来るように心がけられるとよいでしょう。

決して無理をなさらないように。(専門家 ○あーちゃん さん)
引用元:介護のQ&A
*編集部で一部回答を編集しています

頑張りすぎない事と1人で背負いこまない事が大切だと思います。

家族で役割を分担したり、使える介護サービスを活用し、投稿者様含めた家族がどうリフレッシュするか、自分の時間を作るかなども考えながら介護された方が良いかと思います。

そして、介護に対するストレスが貯まり、愚痴を吐きたいときは発散してください。吐ける方がいなければ、このようなサイトを活用するのもアリだと思います。(専門家 かいよう さん)
引用元:介護のQ&A

本人の身体の状況や認知症の周辺症状によって、在宅での生活に必要な支援は変わってきますが、介護保険サービスと自費サービスを組み合わせたり、小規模多機能型居宅介護を利用することで、在宅介護の継続は可能です。

ただし、介護家族にかかる負担は大きくなるでしょう。本人の希望や家族の状況を考えたうえで、ケアマネジャーと相談をしてみてください。

看取りの時期はいつから?

要介護5を介護している家族から多く質問されているのが、看取りについてです。

胃ろうをなどを設置するべきか、自宅か施設か…など、後悔のない看取りを多くの介護家族が望んでいます。そんな介護家族への専門家からのアドバイスを紹介します。

医療の現場では延命治療には人工呼吸器や血圧を上げる薬を使う・心臓への電気ショックを使う・点滴のみ・何もしないと選択肢が多すぎるのです。

大切なことは御母堂様が今日までどの様な生活を送られてきたのか?どの様な性格をされていたのでしょうか?

今一度思い起こして御母堂様が意志疎通ができたならば ”どのような選択をするのだろうか”その想いとご家族の想いを主治医に伝えてみては如何でしょうか。(専門家 たつたつ さん)
引用元:介護のQ&A

ケアマネも基礎資格が看護師の方や看取り対応に熟練されている方を探されてみてはいかがでしょうか。

地域包括では各居宅のケアマネを把握されているます。紹介はあまりできませんので、上記のような方がいれば教えてもらいたいと尋ねてみてはいかがでしょうか。

また看取りは訪問診療での医師の役割がとても大切になります。看取りに理解を示している先生を病院の相談員とよく相談し探されてみてはと思います。(専門家 かいよう さん)引用元:介護のQ&A

今一度主治医に確認しておくべきことは、緊急時というか、どのようなときには医師に知らせなければならないのか。どのようなときには家族でどんなことがしてあげられるのかだと思います。(専門家 とすかーなっち さん)
介護のQ&A

※この記事は2021年3月時点での内容です

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