介護認定を受けると、非該当(自立)、要支援1~2、要介護1~5までの結果が出ます。 要支援2と認定された場合、使える介護保険サービスや知っておきたい情報を以下にまとめました。
要支援2どんな状態か
要支援2とは、要介護状態ではないものの、社会的支援が必要な状態です。
排泄や食事はほとんどひとりでできるものの、立ち上がりや片足での立位保持などの動作や、掃除などの日常生活の一部に見守りやサポートが必要です。バランスの良い食事や規則正しい生活、適切な運動などで、現在の状態の維持または改善を目指します。
また、認知症の症状が出ていても、「日常生活は家庭内及び社会的にほぼ自立している」状態であれば、要支援2となります。
>>要介護認定について介護のQ&Aを見る | 介護のQ&A |
要支援2の1ヵ月の支給限度額はいくらか
介護保険制度では、要支援2の方が使える介護サービスの上限は、104,730円です。
自己負担額は原則1割。一定以上の所得がある方は、所得に応じて、2割または3割です。
<上限までサービスを利用した場合の1ヵ月の金額>
1割負担:10,473円
2割負担:20,946円
3割負担:31,419円
介護サービス費用の自己負担金額が一定の金額を超えた場合、申請により超えた分が戻ってくる「高額介護サービス費制度」が利用できます。
自己負担の上限金額は、所得などの諸条件によって区分けされています。本人または世帯全員が住民税課税者の場合、月額の自己負担上限額は、2021年8月より所得に応じて44,400 円~140,100円です。詳しくはケアマネジャーや地域包括支援センターなどに相談してください。
>>高額介護サービス費で介護費用が安く?手続き方法や具体例も紹介
介護保険で利用できるサービスの目安
週2~4回のサービス
(例)
・週2回の訪問型サービス(日常生活支援総合事業)
・週2回の通所型サービス(通所リハビリテーションなど)
訪問型サービスや通所型サービスを週1回程度に抑えれば、月10日までの短期入所サービス(ショートステイなど)の利用も可能です。また、訪問、通いや短期宿泊を組み合わせた介護を受けられる「小規模多機能型居宅介護」も利用できます。
ケガや病気、ADLの低下を予防して、要介護状態にならないように気を付けることが大切です。ヘルパーさんの手で定期的に掃除や買い物を代行してもらい、生活環境を整えましょう。お金に余裕があれば、介護保険外サービスの配達弁当を利用してバランスの良い食事をとったり、地域の健康体操などの活動に参加して心身の健康を保つといいでしょう。 自分でできることを増やし、介護度が上がらないように心がけるのが重要です。
介護サービス利用可否表
自宅で受ける介護サービス
訪問介護 | ○ |
訪問入浴介護 | ○ |
訪問看護 | ○ |
訪問リハビリテーション | ○ |
夜間対応型訪問介護 | - |
居宅療養管理指導 | ○ |
定期巡回・随時対応型訪問介護看護 | - |
一時預かりサービス
短期入所生活介護(ショートステイ) | ○ |
短期入所療養介護(医療型ショートステイ) | ○ |
日帰りで受ける介護サービス
小規模多機能型居宅介護 | ○ |
通所介護(デイサービス) | ○ |
通所リハビリテーション(デイケア) | ○ |
認知症対応型通所介護 | ○ |
看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス) | - |
生活環境を整えるサービス
福祉用具貸与(レンタル) | ○制限あり |
特定福祉用具販売 | ○ |
住宅改修 | ○ |
長期入所できる施設サービス
有料老人ホーム | ○ |
ケアハウス(軽費老人ホーム) 60歳以上の高齢者または夫婦のどちらか一方が60歳以上、自分で身の回りの世話ができる 身のまわりのことが自分でできなくなると退去。 |
○条件あり |
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム) | - |
介護老人保健施設(老健) | - |
介護療養型医療施設 | - |
介護医療院 | - |
認知症対応型共同生活介護(グループホーム) | ○ |
養護老人ホーム ※養護老人ホームは、介護の必要性に関係なく環境的・経済的に在宅で生活することが困難な高齢者を対象 身のまわりのことが自分でできなくなると退去。 |
○条件あり |
サービス付き高齢者向け住宅 | ○ |
一部のサービスは、各自治体が提供する介護予防・日常生活支援総合事業、介護予防サービスにて提供されます。
要支援2のよくある質問
・要支援2だと、掃除や買い物代行などの日常生活支援サービスは介護保険で利用できないの?
要支援1や2の方が、掃除や買い物代行などの日常生活支援サービスを受ける場合、「介護予防・日常生活支援総合事業」の訪問型サービスを受けることになります。これは、保険者(市町村)が独自に内容や料金を決められるサービスです。
名称は変わりますが、介護保険サービスとなります。
介護(保険)サービスになりますよ。
要支援1・2の方が対象になり、訪問介護(ヘルパー)にきてもらえますので、担当ケアマネや地域包括支援センタースタッフへ相談しましょう。
少しでもお役に立てれば幸いです。(専門家 フレックス さん)
引用元:介護のQ&A
・介護リフォームは要支援2でもできるの?
高齢者が生活しやすいように、手すりを付けたり、トイレの便座を替えたり、床を滑りにくいものにしたりといった住宅改修をする場合、介護保険制度を利用することができます。
自立歩行ができる要支援1の方でも、転倒予防などの理由があれば、介護保険制度の住宅改修を利用して、屋内に手すりを付けることが可能です。
ただし、要介護度に関わらず、リフォームの内容が過剰だと判断されると却下されることがあります。
対象となります
現在担当のケアマネはいらっしゃいますか。いるのであれば、ケアマネに申請等は依頼できると思います。また担当のケアマネは依頼がいない場合は地域包括支援センターへ連絡すれば対応していただけると思います。(専門家 かいよう さん)
引用元:介護のQ&A
・要支援2の人がレンタルできる福祉用具は?
要支援2の方がレンタルできる福祉用具には、次のようなものがあります。
・手すり(取付工事を伴わないもの)
・スロープ(段差を解消するもので取り付け工事を伴わないもの)
・歩行器
・歩行補助杖
・自動排泄処理装置(排便機能のないもの)
・要介護1との違いはどこにあるの?
要介護認定の一次判定で「要介護1相当」に振り分けられた場合、
・認知機能の低下の度合い
・状態の安定性
認知症の症状が出ていても、認知症高齢者の日常生活自立度が、「日常生活は家庭内及び社会的にほぼ自立している」と判断されれば要支援2となり、「日常生活に支障を来すような症状・行動や意志疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意していれば自立できる」以上である場合には、要介護1と判断されます。
しかし、短期間で心身の状態が変化することが予測され、概ね 6ヵ月程度以内に要介護状態などの再評価が必要な場合にも、要介護1と判断されます。
※この記事は2021年3月時点の情報で作成しています。
【関連記事】
要介護・要支援とは – 要介護1~5、要支援1・2の違い | 介護の無料相談&ハウツー「安心介護」
要支援1とは - 介護の専門家に無料で相談「安心介護」介護の基礎知識
要支援2とは - 介護の専門家に無料で相談「安心介護」介護の基礎知識