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アルツハイマー型認知症とは

アルツハイマー型認知症とは、認知症のひとつの種類で、記憶や思考、行動に問題をきたす病気です。日本の認知症の中で最も多く、約半数を占めています。通常、高齢化に伴って発症するケースが多い病気ですが、64歳以下の若いうちに発症することもあります。
>>若年性アルツハイマー/若年性認知症とは 10の初期症状

ドラマや映画などに取り上げられることがあり、患者数の多さもあって、認知症の中でも最もよく耳にする機会がある疾患です。

脳に特殊なたんぱく質「アミロイドβ」が溜まることで脳の神経細胞が減少・変化することにより脳自体が縮小することが原因で発症します。
もちろん、健康な人でも年齢が進むにつれて、脳は少しずつ萎縮するものです。
しかしアルツハイマー型認知症になると、萎縮の早さが全く違います。
発症者は男性よりも女性が多いといわれています。

家族や友人の変化に気づくためにも、その症状や特徴を知っておくことが大切です。あわせて対策や予防・改善策を紹介します。 

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【目次】

1.アルツハイマー型認知症の症状と特徴
2.アルツハイマー型認知症の検査
3.アルツハイマー型認知症の人への対応方法
4.アルツハイマー型認知症の予防と改善策
5.アルツハイマー型認知症と遺伝の関係
6.最後に:アルツハイマーの早期の診断には利点があります 

アルツハイマー型認知症の症状と特徴

アルツハイマー型認知症では、主に以下のような症状が見られます。

症状1. 記憶障害

年齢を重ねると物忘れが見られるようになりますが、アルツハイマー型の物忘れはそれとは全く別物です。

例えば、少し前に友人と会って話をしたとしましょう。
年齢による物忘れなら、その会話の一部を忘れる程度です。
何かヒントを出せば思い出せるでしょう。
しかしアルツハイマー型認知症の場合は、会ったこと自体を忘れてしまいます。
そして、いくらヒントを与えても思い出すことができません。

昔の出来事よりも最近の出来事のほうから薄れていきます。
>>記憶障害の種類と対応

症状2. 実行機能障害

例えば今まで頻繁に行っていた料理の手順がわからず、どんな食材や調味料を使うのかといった判断力が低下します。
その他、季節に合わせた洋服を選べなかったり、部屋の片づけができなかったりする場合もあるでしょう。
>>実行機能障害とは

症状3. 見当識障害

見当識とは時間や場所、自分自身や周囲をきちんと認識することです。
アルツハイマー型になると、この見当識が低下してしまいます。
突然自分が今いる場所がわからなくなって家に帰れなくなったり、日付が分からなくなったりします。
あるいは家の中にいても、トイレに行くだけで迷子になってしまうことさえあるでしょう。
症状が進行すると、自分の子の顔さえ忘れてしまいます。
>>見当識障害とは

症状4. 失語

上手く喋ることができず、相手の言葉も理解できなくなります。

症状5. 失認

目の前のものが何であるかを認識できません。

症状6. 運動機能障害

アルツハイマー型認知症が進行し、脳の機能が低下することでやがて歩くこともできなくなり、寝たきりになってしまいます。

アルツハイマー型認知症の検査

「何かがおかしい」と気づいたら、どう対応したらいいのでしょうか?

「認知症疾患医療センター」「神経内科」「精神科(心療内科、神経科など)」「もの忘れ外来」などを受診します。

かかりつけ医に専門医への紹介状を書いてもらってもいいでしょう。

《検査内容》
・問診
・身体的検査
・神経心理検査
・画像診断

問診では気づいたきっかけやその後の様子、服用している薬、今までにかかった病気などを聞かれます。

しっかりと答えられるようにメモをとるなどして、用意しておきましょう。

>>認知症で病院にかかる方法

アルツハイマー型認知症の人への対応方法

次に、いざ発症した際の対応方法について触れておきます。

質問にはきちんと答える

何度も同じことを聞かれますが、その都度、きちんと答えてあげることが大切です。
「さっきも言ったでしょ」などと怒ることは避けましょう。
これが続くと、精神的な苦痛からうつ状態を招く可能性があります。

メモやカレンダーの利用

大切な予定や約束事をメモやカレンダーに記して、本人の目につくようにしておきます。

薬の管理

本人は飲んだことも忘れてしまうので、飲み忘れたり、逆に重複して服用したりすることも考えられます。
薬は家族が管理して正しく服用させましょう。

外出時に注意

外出時には付き添ってあげるのが理想です。
どうしても1人の時は、連絡先をわかりやすいところに付けたり、GPSを持たせたりすると良いでしょう。
また、近所の人に事前にお願いしておくと安心です。

アルツハイマー型認知症の予防と改善策

早期発見が重要

何といっても、アルツハイマー型認知症は早期発見早期治療が大切です。
物忘れを単なる年齢のせいと思わずに、少しでも異常を感じた場合は適切な医療機関を受診しましょう。
本人がそれと気づかない場合が多く見られますが、家族がきちんと説明して病院に連れて行ってください。

予防方法

予防のためには生活習慣を見直し、バランスのよい食事や十分な睡眠を心掛けることです。
特に昼寝は、アルツハイマー型認知症リスクを抑えることができるといわれています。

発症後の改善策

もし発症してしまったら、完治させることはできません。
しかし処方された薬を服用し、手先や身体を使って脳を刺激するとよいでしょう。
ただ、できないからといって家族が実の周りのことをすべてやってあげるのは避けてください。
自分でできることは任せることで、残存能力の低下を防ぐことができます。

アルツハイマー型認知症と遺伝の関係

近年では、アルツハイマー型認知症と関係しているというApoE遺伝子についての研究も進んでいます。

ApoE遺伝子は、あれば必ずアルツハイマー病を発症するものではありませんが、リスクを知る手段として検査することも可能です。

アルツハイマー型認知症と遺伝の関係について、公益社団法人認知症の人と家族の会の副代表理事である、川崎幸クリニックの杉山孝博院長は下記のように説明しています。

若年発症のアルツハイマー病の中で遺伝が疑われる家族性アルツハイマー病は1割に過ぎない。しかもそのうち遺伝子変異が明らかになったものは半分程度といわれている。従って、相談者に対して私は「遺伝性は深刻に考えなくてもよいでしょう」と答えている。

加齢の影響の大きいアルツハイマー型認知症については、遺伝的な要素は少ないと考えてよい。ただ高齢になればなるほど認知症の発症率が高くなるので、長寿の家系ほど認知症になる人の割合は当然、多くなる。
(引用元:公益社団法人認知症の人と家族の会「No.45–遺伝で発症、ごく一部-心配するより人生楽しく」)

リスクを知って予防につなげることは大切ですが、身内にアルツハイマー型認知症の人がいるからと言って、過剰に心配しなくてもよいでしょう。

最後に:アルツハイマーの早期の診断には利点があります

アルツハイマー型認知症だと早期に診断を受ければ、利点になることがたくさんあります。
例えば、

・症状を抑える治療を、早い段階から受けられる
・将来に向けて家族が話し合う時間が取れる
・自治体や医療機関のサポートを早いうちから受けられる

アルツハイマー病なのかを判断するのに、医療機関を訪れてから平均で半年ほど時間がかかっているという結果が出ています。

>>外部サイト:認知症の人と家族の会の会員465名を対象にした「認知症の診断と治療に関するアンケート」結果発表 変化に気づいてから診断まで平均15か月、早期の「確定診断」の重要性が浮き彫りに

安心介護内で行った「認知症を疑ったきっかけと受診までの期間」についてのアンケート調査でも、認知症を疑ってから受診するまでの期間が1年以内の人の方からは、「進行を食い止めることができた」「周りに迷惑をかける前だった」「家族が納得するため」などの声が上がっています。

>>【アンケート結果】認知症を疑ったきっかけと受診までの期間について

アルツハイマー病だと診断されても、本人がその人らしく生き続けるためにも、家族の負担を和らげるためにも、変化に気づいたらすぐに医療機関での受診が必要です。