【アンケート結果】「介護の終わり」で気になることや不安について

pixta_12053569_S

いつかは迎えることになる「介護の終わり」。 そのときには自分や家族の気持ちと向き合いながら、数々の手続きや法事を行わなくてはいけません。

そんな介護の終わりについて、皆さんはどんなことを気にしており、どんな対策をしているのでしょうか?

安心介護ではサイトを利用しているユーザーを対象に『介護の終わりについて気になること』についてのアンケートを行い、163名から回答を得ました。

その結果をお知らせします。

8割、今後見送るのは「親」

まず、全回答者の163名に「あなたが今後見送る予定の方はどなたですか?」と聞くと、8割以上が「親(義理を含む)」と回答しました。

アンケート:画像1

「その他」と答えた方は「祖父・祖母」が4名、「おじ・おば」が5名でした。

介護の終わりで気になること

「予定はない」以外の回答をした151名に対して、「介護の終わりで気になることは何ですか?」と聞いたところ、半数近くが「葬儀の手配について」(74名、49%)、「実家の片づけや処分について」(72名、48%)、「相続について」(69名、46%)をあげています。

また、4割近くの人が「落ち込みや喪失感など自身のメンタルについて」(57名、38%)、1.5割の方が「落ち込みや喪失感など家族のメンタルについて」(22名、15%)と回答しており、グリーフケア(喪失感のケア)を気にかけている方が多いことがうかがえます。

アンケート:画像2

その他の回答として目についたのは、「必要なお金や金銭問題」についての回答と、「回答者本人のその後の生活」についてでした。

▼必要なお金や金銭問題について ・お寺や葬儀にかかる費用 ・菩提寺へのお布施と法要など ・葬儀などで必要なお金(介護で収入がかなり減っているため) ・父個人から会社への貸付金に対する対策 ・税金の滞納を含む借金について

▼回答者本人のその後の生活について ・生活資金について ・自分の老後 ・残った自分の生活 ・自分の再就職 ・自分のその後のこと

また、その他には「今現在介護で手一杯で、遊ぶこともあまりない。終わった時に何をしてよいのかわからない」、「わからない」といった声もありました。

対策は“情報収集”

続いて、介護の終わりについて気になることが「ある」と答えた142名に対して、どんな対策をしているかを伺いました。

「本やネットで調べている」(86名、61%)という回答が最も多く、「経験者の話を聞いている」(33名、23%)、「業者へ問い合わせをしている」(22名、15%)など、情報収集をしている人が多くいました。

また、「家族で話し合っている」(37名、26%)、「本人と話し合っている」(23名、16%)と話し合いを進めている人も少なくはありません。

アンケート:画像3

その他の回答の中には、 ・弁護士に相談 ・少しずつ断捨離をしています ・公正証書遺言を作成してもらった ・毎月返済し、少しでも貸付金の残高を少なくしている など、具体的な行動を始めている方もいました。

対策をしているのに残る不安

多くの方が「介護の終わり」に気になることがあり、対策を進めていることがわかりました。それでも残ってしまう“不安”について、115名の方がコメントを寄せてくれています。

不安が残る理由:その時にならないとわからないから

最も多く上がった不安の理由が、 ・本やネットで調べたものは、誰かの経験談ですから、自分にそっくり当てはまるはずはなく、個別の細々したこと、それらが絡み合って起こるであろう問題が不安で気になります ・その時にならないとわからないことがいっぱいありそう ・知識と実際では違うところがあると思うから ・経験がないから といった、未知数な部分への不安でした。

介護が人それぞれ違うように、介護が終わった後の事情も違います。 さらには法事・法要などは、地域や宗派などによっても変わってくるため、不安が残ってしまうようです。

不安が残る理由:相続などの人間関係

続いて多く上がったのは、人間関係についてでした。

特に相続については、 ・相続について夫と話しているけど、介護に非協力的な義姉とは全く話をしていないので、どうなるか不安 ・資産を相続できなかった法定相続人(親族)と良好な関係を保ち続けられるか不安 ・遺産相続は、血族以外(嫁・義母・義姉)の人たちまで参戦してくるので精神的に追い込まれる など、相続トラブルを心配している人が多いようです。

また、ひとりっこや不仲などの理由で、周りに相談できる人や理解者がいないことを不安の理由として上げる声も多くありました。

不安が残る理由:喪失感などのメンタル面

介護の終わりについてくるのが“喪失感”です。

・介護をして辛い思いをしている分、身内が亡くなったとき以上に、喪失感があると思う。これで良かったのだろうかという気持ちが付きまとうと思う ・いつかすべてが終わって一人になったら、大した趣味もない私には何にも残らない。その喪失感が不安 ・漠然とした不安。その時どういう気持ちになるのか想像がつかない ・燃え尽き症候群になってしまうのではないかと不安です ・先立たれたご家族の話を聞くと、遺品の整理もできない位の喪失感とか・・。さんざん苦しめられた挙句に 悲しみが待っているだなんて!信じられません ・喪失感は葬儀などが終わった後にくると、実感したから など、喪失感への不安を感じている人は少なくはないようです。

また、自身のメンタル面だけではなく、家族を心配する声もありました。

不安が残る理由:本人との意思疎通が不十分

不安に感じている理由として、 ・本人が認知症のために意思疎通ができないこと ・本人の意思が固まっていないこと ・本人と介護家族との意見が食い違うこと など、本人との意思疎通の問題が上げられています。

不安が残る理由:その他

その他には、 ・「お金が十分に用意できていない」、「経済的に苦しい」などのお金の問題 ・「介護が終わった後に生活の場を変えることになるだろう」、「仕事に戻れるか」など、その後の生活についての不安 ・回答者本人の体力がないことや障害があるための不安 などがありました。

今回の調査では、介護だけではなく介護の終わりについても、人それぞれ気になることがあり、対策をしていることがわかりました。

「介護の終わり」について聞いてもらいたいことがあったら、共感広場などでこぼしてみてください。誰かに話を聞いてもらうだけで、気持ちが楽になるかもしれませんし、思わぬ解決策が得られるかもしれません。