“認知症”は高齢者だけの病気ではありません。
64歳以下でも“認知症”を発症し、若年性認知症と診断されている方も増えています。しかし、中には認知症になったという事実を受け入れられない人も……。
特にこれまでしっかりと日々を過ごしてきた人ほど、認知症の疑いがあるから病院へ行こうと言われても素直に応じられないのではないでしょうか。
今回は、そんな認知症の診断をうけたがらないケースの対処法についてまとめてみました。
対処法1:状況をメモし、包括センターなどへ相談
認知症の方の中には、「まだまだ認知症など縁のない話」だと思っていたり、変わってしまった自分に戸惑って「認知症ではない」と思い込もうとしている方がいます。
そのため、家族や身内から一度診断を受けてみないかと勧められても応じないというケースも多いようです。
なるべく詳しい資料(以前のうつ病、治療経過、現在の問題点の起きた時期、これからどうしていこうと思っているか、家族の協力、介護負担について)などをメモ書きにされて持参されると良いと思います。ただ地域包括は「窓口」なので、結局「主治医に相談してください」「介護申請はどうしましょう」という事になります。貴女の思いをある程度決めて行かれると良いと思います。
(専門家 ○あーちゃんさんの回答(引用元)「実母の物盗られ妄想 私の夫に対して・・。」
地域包括支援センターは65歳以上の方の相談窓口です。
介護保険で認定が出ていてサービスを利用している方は地域の『居宅介護支援事業所』のケアマネージャーが担当しますが、自立の方や要支援の方は地域包括支援センターが担当します。(中略)
また、包括は介護保険が必要にならないように予防する事を主としています。
予防事業として見守り体制の構築や予防教室・体操なども行っております。
(専門家 アンシーさんの回答)(引用元)「老人3人で暮らしています。」
本人が病院に行きたがらない場合には、認知症が疑われる本人の行動や発言などを細かくメモし、まずは地域の包括センターなどに相談してみてください。
そこから受診のきっかけが見つかるかもしれません。
対処法2:医師を巻き込んで一芝居打つ
とにかく一度医師の診断を仰ぎたい!という場合は、身内や家族だけでなく医師を巻き込んで一芝居打つというのもアリのようです。
事前に医師に相談し、演技をしていただきます。
それから、私(相談者)具合悪いから病院一緒に行っていただけると助かります。
それから私(相談者)にどんどん質問して頂き、父にさり気なく父はどうと聞いてみるのはどうでしょうか。
(専門家 西瓜好きさんの回答)(引用元)「どうしても認知症の受診を嫌がっている父をどうしたらいいでしょう?」
嘘をついて病院へと連れ出すわけですから、良心が痛むという人もいるかもしれません。
しかし、“認知症”なのかどうかはっきりと診断が出れば、その後の対応についてもより明確になっていくはず。
結果として、嘘をきっかけに本人や周囲がよい状況へ進めるのであれば、“嘘も方便”だと割り切るのも必要です。
対処法3:物忘れ外来の受診からはじめる
日々の中で、1つ2つ程度の物忘れは誰でもあるもの。それを理由に一緒に、「物忘れ外来」に足を運んで見るのはどうでしょうか。
認知症と明確に出ていない分、本人にとっても抵抗感が少ないかもしれません。
安心介護内にも、こんな体験談が寄せられていました。
「2年前、義母がアルツハイマーであると診断された時、本人にどのように告知するのかはらはらして見ていたのですが、「老年内科」(物忘れ外来の主治医)は実に鮮やかに「物忘れ病です。忘れるのは病気ですから仕方ありません。でもそれであなたの性格の良いところも人間としての明るくて楽しい人柄もかわることはありません。だから、そのことで周りに八つ当たりしないのよ!」と言ってのけ、「できるだけ忘れないようにする薬をあげます」とアリセプトを処方されました。」
(一般会員 はんさむかあさんの返信)(引用)「認知症の告知について」
本人の性格にもよりますが、こういう風にあっけらかんと言われることで、気が楽になり良い結果へと繋がる可能性もあります。
対処法4:家族総出で強制受診させるしかない場合も…
認知症になると暴力的になる方もいます。もし暴力的になっているのなら、どのような対処も難しいかもしれません。
そんな場合、「ほかの家族の協力が得られるようであれば、
力づくで…という方法も必要だ」というアドバイスも投稿されています。
一番早いのでは、夫、貴方、姉、父で、お母様を取りおさえて、むりやりでもですよ。4人いれば、女性一人、無理やりにでも、精神病院に、お連れすることは、できると思います。姉に説得というか、同伴させる予定でお願いして、それでだめなら、周りを取り囲んで、お連れするしかないでしょう。
(専門家の回答)
(引用元)「実母の物盗られ妄想 私の夫に対して・・。」
暴力自体が認知症の症状だとしたら、本人も苦しく思っているはずです。
本人も家族もゆっくりと認知症を受け入れていくのが一番です。あくまで力づくでというのは最後の手段として考えておきましょう。
十人十色という諺の通り、認知症をどう捉えるかは人それぞれです。老化現象だと受け止める人もいれば、認めてしまうことが不安でそんなはずはない!と受け止められない人もいるでしょう。
その結果、「取り繕い」という行動が出る方もいます。
>>参考記事:「アルツハイマーの初期に見られる認知症の症状を“取り繕う”ことについて」
できるだけ本人が納得できる形で診断を受けられるといいですね。