歩行介助とは
歩行介助とは、自分の足で歩けるように介助を行うことです。 介護なしに日常生活を送っている高齢者でも、転倒による骨折などには特に気をつける必要があります。 それは在宅介護においても同様です。 ほんの些細な不注意から転倒し、要介護度が高くなってしまったり、在宅では介護できなくなってしまったりすることがあります。 そのようなことを防ぐために、歩行を介助する際に注意すべき点について考えていきましょう。
足のサイズに合った、軽くて滑りにくい靴を 選ぶ
歩行を介助する場合、まず大切なことは介助を受ける方の安全です。
屋内で、靴など履物を履かない状態であっても、ズボンの裾の長さに気をつけましょう。
足にまとわりつくような長さや形状のズボンは危険です。
ズボンが大丈夫であれば、次は履物です。
スリッパやサンダルのようなかかとの無い物は、脱げたり滑ったりするため転倒しやすくなるでしょう。
また、脱ぎ履きさせ易さからサイズの大きい靴を選びがちですが、やはり脱げやすいので危険です。
靴を選ぶ際には、足のサイズに合った軽くて滑りにくい底の靴にしましょう。
介助者の立つ位置に気をつける
基本的な歩行介助は、相手の側方に立ち脇と腰部を支えます。
しかし、前方に倒れやすい方の場合は向かい合わせに立ち、相手の肘を支え、相手にも自分の肘を持ってもらって歩行を介助します。
杖を使用する方の介助は、杖を持たない側の斜め後方に立ち、杖のない方向に身体が傾くことに備えるとよいでしょう。
また、どの方向への転倒も心配な方の場合は、必ず腰に手を添えて支えるか安全ベルトを利用するなどします。
なお、身体に麻痺がある方を介助するときは麻痺のある側に立ち、手すりを使用するときは手すりの反対側に立つことが基本です。
介助される方の歩調・歩幅に合わせる
身体を支える位置が決まり歩行する際には、介助される方の歩調及び歩幅に合わせましょう。
人はそれぞれ歩き方が違います。
また、前後左右のどの方向に転倒する危険があるのか、さらにはガクッと膝が折れるように転倒する場合も考えられるので、それに備えることが重要です。
介助者が歩行をリードするのではなく、あくまでも介助を受ける方のペースに合わせましょう。
随時休憩を取る
目的の場所まで、一気に行ってしまいたい気持ちもあるでしょう。
しかし、たとえ短い距離でも時々は休憩をはさんでください。
無理をすることが、予想もしない事故につながるおそれがあるからです。
ただし、座って休憩した場合は、立ち上がるときのふらつくことがあるので注意が必要です。
転倒によって骨折すると、その部位によっては歩行が困難になったり、元の歩行状態に戻れなくなったりする可能性が高くなります。
そのため、歩行を介助する際はさまざまな危険を事前に予想することが大切です。
予測によって、とっさの事態に備えておきましょう。