認知症とは

認知症とは

認知症とは

認知症とは、脳の機能が低下し、記憶や思考への影響がみられる病気です。

現代では85歳以上の4人に1人が認知症を発症していると言われています。年齢を重ねるほど認知症になりやすくなり、発見が遅れるほど進行を止めることが難しくなります。

日本では65歳以上の高齢者のうち15%が認知症を発症していると言われており、患者数は460万人を超えているという推計があります(厚生労働科学研究成果データベース「 都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応」より)。

また、認知症になる可能性が高い軽度認知障害(MCI)の患者数も400万人いるとされています。高齢化がますます進む日本では、今後も認知症の患者は増え続けると考えられています。

認知症の診断方法

認知症は進行する病気です。早めに診断を受け、薬やトレーニングで進行を予防することが重要になります。

まずは簡易なチェックを行いましょう

認知症が疑われる場合に便利なチェックリストが用意されています。自分や家族の方が心配な場合は、まずはこちらの初期症状があるかをチェックしてみましょう。
>>家庭で認知症かどうかをチェックするポイント
>> アルツハイマー/若年性アルツハイマーの10の初期症状

病院で認知症の診断を受ける

最近では「物忘れ外来」や「認知症外来」といった、認知症専門の部門を持つ病院もあります。診断を受ける際には、日ごろの言動について記録しておき、診断を行う方にお話できるようにしておきましょう。
>> 認知症で病院にかかる方法

また、認知症が疑われる場合に、無理やり病院に連れて行ったりすると、トラブルの原因になります。適切なコミュニケーションをとって、対応を取りましょう。
> 認知症が疑われるときの対処法について知る

認知症の予防と治療

認知症の予防方法

認知症は日々のトレーニングによって予防が可能だと言われています。安心介護では、認知症の脳の関係や、生活習慣を整えることによる予防方法、「コグニサイズ」と呼ばれる頭と体を使った予防方法について解説しています。
>> 認知症と脳のトレーニング
>>認知症と生活習慣病の関係
>>認知症を予防する7つの生活習慣
>>“コグニサイズ”とは 頭と体を使う認知症予防

認知症の治療方法

認知症に特効薬はなく、一度発症してしまうと少しずつ進行していく病気です。

認知症を発症してしまった場合は、根気良く病気と付き合っていきましょう。前項目の予防方法は発症の予防だけではなく、進行の予防にも有効です。また、薬を忘れずに飲むことも大切です。
>>認知症は治療できるのか

認知症患者へのケアや対応方法

要介護要支援者の多くが、認知症を発症しているのが現状です。

一度認知症を発症してしまった後の日常生活では、認知機能が落ちていることを前提にしながら、かつご本人を傷つけないように上手に対応を行うことが必要です。また、すべてに手を貸すのではなく、残された能力を活かすように、できることは自身でやってもらうようにしましょう。
>>「 認知症のケアと介護 」に関する解説・記事

また、介護者自身のケアも忘れてはいけません。

それぞれお住まいの地域で、認知症の方を家族に持つ方々が集まり、それぞれの体験を共有しながら対応方法について話し合う場が用意されていますので、情報交換やストレス解消の場として、うまく利用してみてください。
>> 認知症カフェ・ケアラーズカフェとは

認知症で見られる症状

認知症には脳が壊れることで必ず起こる中核症状と、その人の性格や、周囲とのかかわりによっておこる周辺症状(行動・心理症状/BPSD)があります。
>>認知症の中核症状・周辺症状(BPSD)

中核症状

・記憶障害
>>記憶障害の種類と対応
・見当識障害
>>見当識障害とは
・理解力や判断力の障害
>>理解や判断力の障害
・実行機能障害
>>実行機能障害とは
・失行など
>>認知症の「失行」とは 症状と対処法

周辺症状(行動・心理症状/BPSD)

人によって出たりでなかったりする症状です。症状によっては薬で対処が可能です。周辺症状には主に以下のものがあります。

・うつ症状や無気力
>>うつ・抑うつの対応
・妄想
>>物盗られ妄想とは 原因と対応方法
・徘徊
>>徘徊の原因と対応方法
・暴言や暴力
>>暴力・暴言の原因と対応
・過食や異食など
>>認知症による暴食・過食の対処法
>>認知症の方の「異食」-原因と3つの対策方法

認知症の種類

認知症には、様々な種類が存在します。

原因などによって、以下のように分類することが可能です。認知症の種類や症状によっては、単なる物忘れに見える場合があるでしょう。しかし、認知症の進行を食い止めるには、何より早めの診断が必要です。気分が暗い、外出しない、気力がない、被害妄想、暴力、話が理解できない、徘徊するなどのサインが出てきたときには、早期に専門家に相談しましょう。

アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症は、認知症の中でも最も多い割合を占めています。男性よりも女性が発症しやすい傾向があります。

アルツハイマー型認知症の詳しい解説については、こちらをご覧ください。
>>アルツハイマー型認知症とは

脳血管性認知症

アルツハイマー型に次いで多くみられる認知症で、認知症全体の20~30%を占めています。

脳血管性認知症の詳しい解説については、こちらをご覧ください。
>>脳血管性認知症とは

レビー小体型認知症

アルツハイマー型、血管性認知症に次いで多くみられる認知症です。「レビー」という名称は、ミュンヘン大学でこの症状を研究していたフレデリック・レビー氏から名前が付けられました。レビー小体型認知症の詳しい解説については、こちらをご覧ください。
>>レビー小体型認知症とは

前頭側頭型認知症(FTD)

65歳以下で認知症を発症する「若年性認知症」の原因として多く見られるものです。前頭側頭型認知症(FTD)の詳しい解説については、こちらをご覧ください。
>>前頭側頭型認知症(FTD)とは

若年性認知症

65歳以下で発症する認知症です。若年性でかかる認知症は、まだ若いことから認知症と診断されず、分かるまでに時間がかかることも多いようです。若年性認知症の詳しい解説については、こちらをご覧ください。
>>若年性認知症とは

アルコール性認知症

高齢者だけではなく若い人にも見られ、他の認知症と合併することが多いようです。アルコール性認知症の詳しい解説については、こちらをご覧ください。
>>アルコール性認知症とは

正常圧水頭症(NPH)

治療が可能な認知症です。水頭症が原因で発症します。正常圧水頭症(NPH)の詳しい解説については、こちらをご覧ください。
>>特発性正常圧水頭症(iNPH)とは 治癒の可能性がある認知症

まだら認知症

これは認知症の種類ではありませんが、脳血管性認知症で見られる「できたりできなかったり」する症状のことを表します。まだら認知症の詳しい解説については、こちらをご覧ください。
>>まだら認知症とは

認知症の薬

認知症には特効薬はまだありませんが、症状に応じて薬が用意されています。認知症の治療に使用される薬のうち、代表的なものについては下記にて解説されています。
>>「 認知症の薬 」に関する解説・記事