介護について話し合う、家族会とは?

介護について話し合う家族会とは?

介護をしていて不安や孤独感を感じてしまったら、お近くの家族会に参加してみてはいかがでしょうか。介護をしている家族同士が集まる家族会なら、介護で感じている様々な思いに寄り添ってくれる仲間が見つかるはずです。本記事では、家族会を探す際に役立つ情報をまとめています。

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家族会とは

家族会とは

介護に行き詰まりを感じたり、孤独を感じたりしたときにおすすめなのが家族会です。

病気ごとの家族会や介護施設の家族会などいろいろな家族会がありますが、いずれも介護をしている家族が集まって悩みの相談や情報の交換を行う集いです。無料のところがほとんどですが、1回数百円程度かかるところもあります。

要介護者の状態や介護の事情は人それぞれであり、他人にはなかなか理解されません。他の家族や職場から理解を得られないこともあります。介護をしている家族は、社会からの孤立や介護ストレス、介護疲れを抱えてしまいがちです。

そんな介護者同士で交流し、気分転換や情報交換などを目的に開催されているのが家族会です。

家族会の目的

家族会の目的には以下のようなものがあります。

  • 介護をしている家族同士で交流を深めたい
  • 介護中の孤独感を解消したい
  • 介護家族同士で情報を共有したい
  • 介護や特定の病気についての知識を深めたい
  • 介護家族に悩みを聞いてもらいたい/励まし合いたい

同じように介護をしている人が集まる場には、「認知症カフェ」や「ケアラーズカフェ」などがあります。介護者だけではなく、要介護者と一緒に訪れることができます。 

>>認知症カフェ・ケアラーズカフェとは

 

家族会の対象者

家族会の種類ごとに対象者は異なります。認知症や難病といった特定の病気に関わる介護者に限定している家族会や施設の利用者の家族を対象とした家族会、特定の地域の住民を対象とした家族会などがあります。

住んでいる地域ごとに探してみたり、インターネットで検索したりしてみるといいでしょう

家族会の種類

家族会の種類

家族会の種類には、次のようなものがあります。

特定の病気にかかわる介護者向けの家族会

認知症の方や難病の方を介護している人向けの家族会です。特に多いのが認知症に関する家族会です。公益社団法人認知症の人と家族の会の会員などが集まる家族会や、地域ごとに設立された認知症の家族会が開催されています。

ほかにも特定の難病の人や要介護度が高い人を介護している人を対象とした家族会などもあります。

特定の病気に関わっている家族同士で集まるので、介護の苦労が共通していたり、より精度の高い知識や情報の交換ができたりすることがメリットです。

地域ごとの家族会

特定の地域の住民同士で集まる家族会です。傾聴スタッフが同席するなど、よりストレス解消やリフレッシュ、仲間づくりを重視しているところもあります。自分に合った家族会を探してみるといいでしょう。

特定の介護事業者を利用している人向けの家族会

利用者の家族との交流や本音を聞く場として、介護事業者が運営している家族会です。家族同士の交流というよりも、施設側と家族で親睦を深めてサービス向上につなげたいという目的で設置されているため、従来の家族会とは趣旨が異なります。

自分に合った家族会がないという人に

介護者の中には、行ってみたけど「年齢が合わなかった」「男性がいなかった」など、家族会になじめなかったと感じる方もいます。

若い世代の家族会や、男性介護者の会、シングル介護者の会など、介護者の特性に応じた家族会もあるので、インターネットで検索して連絡を取ってみてはいかがでしょうか。また、家族会は私設の集まりなので、思い切って自分で立ち上げてみてもいいかもしれません。

家族会の活動内容

家族会の活動内容

それでは家族会ではどんなことができるのでしょうか。家族会ごとに異なりますが、活動例の一部を紹介します。家族会を探す前に、自分が家族会でしたいことや望むことを明確にしておくといいでしょう。

勉強会、セミナー

特定の病気に関する勉強会や介助方法のセミナーなどを定期的に開催しているところもあります。無料のものから、有料のものまで幅広くあります。

介護への理解を深めたい、自分がやっている介護が正しいのか自信がない、介護や病気についての知識が欲しいという方は、積極的に参加してみるといいでしょう。

相談や情報交換

介護の悩みを相談しあったり、情報を交換しあったりすることができます。お茶会のように気軽に集まるところもあれば、傾聴スタッフが話を聞いてくれるところもあります。

家族会には様々な年代や職業の人が集まるので、幅広い意見を聞けるのがメリットです。

旅行などのイベントがあることも

ランチ会や日帰り旅行など、介護者がリフレッシュできるイベントを年に数回行っている家族会もあります。

まとめ

家族会は、介護をしている家族が交流を深めたり、知識や情報を交換したりできる集いです。特定の病気に特化した家族会や地域ごとの家族会、シングル介護者や男性介護者などのターゲットを絞った家族会など様々です。介護事業者が利用者の家族と交流するための家族会もあります。

活動内容も交流を深めるのが目的のものや知識を深めるのが目的のもの、リフレッシュが目的のものなど幅広くあります。

まずは自分がどんな家族会に参加したいのかを考えてから、家族会を探してみるといいでしょう。家族会を探すには、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談をしてみてください。

 介護ストレスや孤独感の解消、リフレッシュの場として上手に家族会を利用してみてください。顔の見えないコミュニケーションの方が気楽!という方は、安心介護のQ&Aなどを家族会の代わりに利用してみてくださいね。

※この記事は2020年3月時点の情報で作成しています。

監修者:鵜沢静香
監修者:鵜沢静香

訪問介護事業所職員、福祉用具専門相談員。2015年から安心介護に関わっており、お話を伺った介護家族や介護職員の影響で介護職員初任者研修を取得し、訪問介護の仕事をスタートしました。2022年には介護福祉士、認知症ケア専門士の資格を取得し、自宅で介護をされる人・介護をする人、どちらも大切にしながら訪問介護の仕事を続けています。